なんとなくまとめておく。
1.取得請求権付株式の取得( 会社法第166条第1項)
取得請求権付株式とは?
取得請求権付株式とは、株主が会社に対して自分の持っている株式を買い取ってもらうよう請求できる権利が付いた株式のこと。
会社法第166条第1項では、会社が取得請求権付株式を取得する場合について規定している。この場合、会社は株式以外の財産を株主に交付することができるけど、その財産の帳簿価額が分配可能額を超えてはならないとされている。これは、会社の財務健全性を維持し、株主や債権者の利益を保護するため。
2. 分配可能額の制限(会社法第461条第2項)
会社法第461条第2項に基づき、分配可能額とは、会社が株主に対して配当やその他の分配を行うことができる限度額を意味する。この分配可能額を超えて株主に財産を交付することは、会社の財務状況を不安定にする可能性があるため、法律で制限されている。
3. 証明書類の必要性(商業登記規則第61条第10項)
取得請求権付株式を取得する際に、株主に交付する財産の帳簿価額が分配可能額の範囲内であることを証明するために、「分配可能額が存在することを証する書面」を添付する必要がある。
理由は、
- 法的確実性の確保: 証明書類を添付することで、会社が法律に基づいて正当な手続きを行っていることを示し、法的トラブルを避けることができる。
- 透明性の向上: 証明書類を添付することで、株主や関係当局に対して手続きの透明性を確保し、信頼性を高めることがでる。
- 財務健全性の維持: 分配可能額を超えない範囲で財産を交付することを証明することで、会社の財務健全性を維持し、株主や債権者の利益を守ることができる。
例
親から毎月のおこづかいをもらっている子どもだとする。そして、自分のおこづかいを使って新しいゲーム機を買いたいと思っている。
・親のルール
親にはルールがある。それは、「今月のおこづかい(分配可能額)の範囲内でしかお金を使ってはいけない」というもの。これは、あなたが無駄遣いしてしまって、将来の大事な出費に備えられなくなるのを防ぐため。
・ゲーム機の購入
今月のおこづかいは5,000円だとする。あなたが欲しいゲーム機は4,000円。この場合、ゲーム機を買ってもおこづかいの範囲内なので問題ない。
・証明書の役割
親は本当におこづかいの範囲内で買い物をしているか確認するために、「今月のおこづかいが5,000円で、その中から4,000円を使いました」という証明書(レシートや家計簿のようなもの)を見せて欲しいと言う。
この例を会社に当てはめると…
- おこづかい(分配可能額):会社が株主に渡せる財産の最大額。
- ゲーム機(株式以外の財産):会社が株主に渡す財産。
- 証明書(分配可能額が存在することを証する書面):会社が渡す財産が分配可能額を超えていないことを証明する書類。
まとめ
会社も、株主に渡す財産が会社の財務状況を悪化させないように、分配可能額の範囲内で渡すことが求められる。そのために、分配可能額を超えていないことを証明する書類を添付する必要がある。