特定責任追及の訴え | 行政書士受かって調子に乗って司法書士を勉強するブログ

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特定責任追及の訴えに関する規定

会社法第847条の3第1項には、特定責任追及の訴えを提起するための条件が定められている。

 

  特定責任追及の訴えの条件

 

 

特定責任追及とは

特定責任追及とは、会社法に基づき、株式会社の取締役などが会社に損害を与えた場合に、その取締役などの責任を追及するために株主が訴えを提起すること。具体的には、株主が取締役の行為によって会社に生じた損害に対して、取締役個人に責任を問う訴訟手続き。

 

特定責任追及の要件

 

特定責任追及の訴えを提起するためには、以下の条件が必要。

 

  1. 最終完全親会社等に損害が生じていること:

    • 条件: 特定責任の原因となった事実によって、最終完全親会社等に損害が生じていなければならない。
    • 理由: 訴えを提起するためには、実際に損害が発生していることが必要です。損害がない場合に訴えを認めると、取締役に対する無用な訴訟が乱発され、会社の運営に悪影響を与える恐れがあります。
  2. 損害の重大性:特定責任を追及するためには、その損害が会社にとって重大であることが必要。具体的には、損害が発生した日の子会社の株式の価値が親会社の総資産の5分の1を超える場合など。
  3. 不正な利益を図る目的でないこと:

    • 条件: 特定責任追及の訴えが、提起する株主や第三者の不正な利益を図るため、または会社や最終完全親会社等に損害を与える目的でないこと。
    • 理由: 訴えが正当な目的で行われることを確保するため。不正な目的での訴えは、会社の健全な運営を妨げるだけでなく、他の株主や会社全体にとっても不利益をもたらす。

具体例で説明

例1: 損害が生じている場合

  • 事例: 株式会社Aが、取締役Bの不正行為により10億円の損害を受けた。A社の最終完全親会社である株式会社Cも、この損害により株価が下落するなどの影響を受け。
  • 結果: 株式会社Cの株主Dは、取締役Bに対して特定責任追及の訴えを提起できる。なぜなら、最終完全親会社であるCに実際に損害が生じているから。

例2: 損害が生じていない場合

  • 事例: 株式会社Aの取締役Bがある取引で不正を行ったものの、最終完全親会社である株式会社Cには直接的な損害は生じませんでした。
  • 結果: 株式会社Cの株主Dは、取締役Bに対して特定責任追及の訴えを提起することはできない。C社に損害が生じていないため。

例3: 不正な目的の訴え

  • 事例: 株主Eが、個人的な敵意や競争相手の利益を図るために、取締役Bに対して特定責任追及の訴えを提起した。
  • 結果: この場合、訴えの目的が不正な利益を図るものであるため、提訴は認められない。

まとめ

特定責任追及の訴えを提起するためには、以下の条件が満たされる必要がある。

  1. 最終完全親会社等に損害が生じていること。
  2. 訴えが不正な利益を図る目的でないこと。

これにより、会社や株主の利益を保護し、不正な訴訟を防ぐことができる。