合同会社、合資会社、合名会社の違いを整理していこう。
ここで改めてこの知識をきっちり頭に入れておかないと会社法は進まない。
合同会社(LLC:Limited Liability Company)
特徴
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有限責任
- 出資者(社員)は全員が有限責任で、会社が負債を抱えても出資額を限度に責任を負う。
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柔軟な経営
- 出資者全員が経営に参加できます。利益配分や役割分担も自由に決められる。
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設立が簡単
- 設立手続きが簡単で費用も安価。
利点
- 設立費用が安く、手続きが簡単。
- 出資者全員が有限責任でリスクが少ない。
- 経営の自由度が高い。
欠点
- 信用度が株式会社に比べて低い場合がある。
- 大規模な資金調達には向かない。
合資会社(Limited Partnership)
特徴
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無限責任社員と有限責任社員
- 無限責任社員:会社の負債に対して無限に責任を負う。
- 有限責任社員:出資額を限度に責任を負う。
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役割分担
- 無限責任社員が経営を担当し、有限責任社員は資金提供を主な役割とします。
利点
- 設立費用が安く、手続きが簡単。
- 無限責任社員と有限責任社員で役割分担が明確。
欠点
- 無限責任社員のリスクが高い。
- 規模が大きくなりにくい。
合名会社(General Partnership)
特徴
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全員が無限責任
- 出資者全員が無限責任を負います。会社の負債に対して個人財産を使ってでも返済する必要がある。
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全員が経営に参加
- 出資者全員が経営に参加し、意思決定を行います。
利点
- 設立費用が安く、手続きが簡単。
- 経営の意思決定が迅速に行える。
欠点
- 出資者全員が無限責任でリスクが高い。
- 規模が大きくなりにくい。
具体例で比較
1. 合同会社の例
友人3人でアプリ開発会社を設立
- 全員が100万円ずつ出資し、有限責任を負う。
- 全員が経営に参加し、役割分担も自由に決める。
- 設立費用が安く、手続きが簡単。
2. 合資会社の例
親子でレストランを開業
- 親が無限責任社員として経営を担当し、子が有限責任社員として資金を提供。
- 親は会社の負債に対して無限に責任を負うが、子は出資額のみ責任を負う。
3. 合名会社の例
兄弟で工務店を開業
- 兄弟全員が無限責任で出資し、経営に参加。
- 会社が負債を抱えた場合、全員が個人財産を使ってでも返済する必要がある。
まとめ
- 合同会社:設立が簡単で、出資者全員が有限責任。柔軟な経営が可能。
- 合資会社:無限責任社員と有限責任社員がいる。無限責任社員が経営し、有限責任社員が資金を提供。
- 合名会社:全員が無限責任で経営に参加。設立が簡単だが、リスクが高い。
だから、身を削ってでも借金払ってくれる合名会社にお金を貸している債権者にとって、合名会社が株式会社や合名、合資会社に組織変更するとなると、無限責任から有限責任に変わるということで、借金、債務の回収ができなくなる可能性があるということだ。