設定事例から整理していく。
仮登記担保っていうのは抵当権と似て非なるもの。
お金を貸す代わりの人質ならずモノ質で、不動産を
担保にして、所有権移転請求権という債権に対して
仮登記をしておく。借金が返せなかったら仮登記を
本登記にしてガチで所有権を債権者に移転させ、
不動産が債権者の所有物になるって制度。
抵当権より強い、所有権が移転するんだから、
不動産をゲットして、売っぱらったらそのお金で
債権回収できる。
この仮登記担保っていうのは清算金制度というのがあって、
すぐに所有権移転はできない。
まずは、売っぱらうとした場合の金額、債権額、余った金額
を見積としてを債務者や後順位抵当権者にお知らせしないといけない。
でもって、見積が債務者に到達した日から2か月は所有権の移転
はお預け。この2か月で債務者は弁済できるなら弁済して、
担保物権を死守するのだ。
そう、この2か月のカウントの仕方を整理しておく必要がある。
2か月のカウント方法
債務者兼担保物権所有者・・・マイクラ
担保物権・・・土地
→不動産価格3000万円
債権者・・・🎅
→マイクラへの債権額2000万円
後順位抵当権者・・・
→マイクラへの債権額・・・1000万円
私、マイクラが🎅君から2000万円借りた。
お金を借りる際に、私マイクラと🎅君は
令和4年1月1日、土地に担保仮登記契約を締結した。
令和6年1月1日、私、マイクラが債務不履行に陥った。
令和6年1月2日、🎅君が私、マイクラとちゃんに
清算金見積額を通知し、同日到達した。
はい、この到達した日令和6年1月2日が起算日となる。
ここから2か月債務者こと私、マイクラはなんとか
弁済すべく奔走するのだ。
さて、到達した日、令和6年1月2日だけど、2か月の
カウントは初日不算入となるため、
令和6年1月3日から2か月となる。
となると、令和6年3月2日が2か月の満了日(最終日)。
2か月経過とは、最終日をすぎないといけないってわけで
🎅への所有権移転の効力は令和6年3月3日となる。
所有権移転するぞ!
結局、この猶予期間の2か月、やっぱ、ない袖は振れない
ってわけで、私、マイクラは債務を弁済できなかった。
🎅君は当然、所有権を移転するぞ!と息巻いている。
でも、🎅君はすぐに所有権移転の本登記はできない。
本登記の前に🎅君は清算金を供託しないといけない。
供託から1か月を経過したら、ようやく本登記がかなうことになる。
🎅君が全額3000万円ネコばばできないような制度ってわけだ。
供託から1か月ってナニ!?
🎅君が清算金を供託してから1か月という期間。
誰が何をするのか?
それは、後れる抵当権者(後順位抵当権者)、
ここでいうちゃんが清算金に納得するか、
納得しないか、そして納得しなければ、
ちゃんが競売にかけることを決心するのだ。
納得したならば、ちゃんの承諾証明情報を
提供することになって🎅君は見事仮登記の
本登記ができることになる。
競売になってしまったら、🎅君は残念ながら
本登記はあきらめないといけなくなるね。
いよいよ本登記
さて、供託から1か月を経過したから🎅君、
後順位抵当権者のちゃんも清算金に
納得して、清算金を差し押さえた。
私、債務者であるマイクラに清算金支払われる前に
差し押さえておく必要があるのだ。
ちなみに見積金額の内訳、
土地 3000万円
🎅債権額 2000万円
残額 1000万円
となった場合、本来ならば残額1000万円の清算金は
🎅君からマイクラに支払われる。
ちゃんは私、マイクラに清算金が支払われる前に
差押えをしたならば、その証拠書類をもって、
承諾証明情報に替えることができる。
ちゃんの承諾証明情報の代わりに、この差押えの
”債権差押命令謄本”を提供すればよい。
さらに、🎅君の供託したことを証明する書面、
”供託事項証明情報”も必要になるってことも
忘れちゃいけない。
だから、所有権移転に必要な添付情報は
登記原因証明情報
登記識別情報
マイクラが所有者だからマイクラのもの
印鑑証明書
マイクラが所有者で登記義務者だからマイクラのもの
住所証明情報
🎅君が固定資産税収めることになるから🎅君のもの
債権差押命令謄本
差し押さえしたのもの
供託事項証明情報
供託した🎅君のもの
代理権限証明情報