彼女は、とても幸せそうだった。

何か彼女が質問したのか、彼が彼女の手元を覗きこんでいた。

距離が近すぎ!と私は思ったけれど、彼女がすっと身体を離したのをみて、彼女らしいなと思った。


端から見ていたら雰囲気が良いので、彼女にそれを伝えようかとも思ったが、止めた。


今まで誰かに頼りたいとか思ったことなかったのに、あの人には甘えてしまいそうだ。
風な事を言っていた。


長い付き合いだけど、彼女が異性に弱音見せたこと見たことがないから、新鮮だった。

彼の事が、好きなんだろう。





私たちは、いつも本当と夢の中に居るね。
彼女はあれから不機嫌そうに、毎日過ごしている。


あの声が好きだけど、いつだって残してはくれない とぼやいていた。




あー、お昼食べてたんだよ…!察してよ。
と、言った彼女は見えない何かに怯えているようだった。

その中身が大事な事。一番現実で、一番残酷だった。
きっと、彼女の勘は当たっている。私もそうだと思った。



確かめなければならない事が沢山あって、一歩踏み出せずに居る彼女をみていると、いつかこの関係が終わってしまうのがイヤで、先延ばしにしているように思える。




いつだって、するりと抜けていくモノを横目で見送る。


あの人は私の情けない事実を知ってるから、もう繕うこともない。

と言っていた。


彼女は、その先に進めるのだろうか?

先延ばしの期限も迫っている。


現実を知った時に、どれだけ悲しむのか分かっているから、進めないんだろう。