出産後病院にいるのは嫌いだ。
三年前にチビトラを産んだ時、高血圧になってしまって一週間あまりも病院に引き止められた。その間、助産婦や看護婦や、とにかく人々のうるさい事。特に母乳について。「完全母乳がいいから、哺乳瓶は使わないように」「ちゃんと赤ちゃんは吸ってるか」、おしっこは出たか、便はどうだ、くどくどくどくど・・。
私はあまり母乳がどんどん出るタイプじゃない。ついでに言えば、多分母乳をやるべく抱っこするのもうまくは無い。さらに不運な事に、多分チビトラもおっぱいを吸うのがかなり下手だった・。
で、「体重が減ってます!!ちゃんとがんばってお乳あげて下さい!!」みたいな・・。その上、「黄疸が強くなったのでカプセルに入れます。飲むもの飲んで出すもの出さないと悪くなっちゃうんです」、とか。
そんな事はわかってる。母親の私が一番自分の子供を心配してるのだ。あの人たちは、赤ちゃんに親身でそれはとてもいい事だけど、出産後の疲れた体で二人部屋に母子同室押し込められて、一睡も出来ないまま何日も引き止められて、何かもう出来る事だって出来なくなってくる、そういうこっちの気持ちをちょっとは汲んでくれてもいいんじゃないんだろうか・。
結局その時は家に帰ってからもしばらく母乳にこだわってその間辛かったけど、粉ミルクを足すようになって懸念だった体重も黄疸もすっきり解決。それまでずっと機嫌が悪くて長く眠らないチビトラもけろりと良くなった。
その時の経験から、「二人目はさっさと家に帰って自分の好きなようにミルクを上げよう」と思っていた。私にとっては母乳にこだわる事よりも、親子が楽しく一緒にいられる事のほうがずっと重要な事だと感じたから。
さて、前フリが長くなったけど、そういう訳で、ミニトラを産んで分娩室で待ってる間に早速聞いてみた。「できたらすぐにでも帰りたいんですけど」。すると、「今回赤ちゃんが小さめで心配なので、申し訳ないけど一泊はしていって下さい」。・・がっくし。
・・まあいいや、今回は母子共に健康だろうし、ずるずる引き止められる事もないだろう・・。
そうして、やっぱり母乳にこだわる人々に囲まれ小さいミニトラは生まれてすぐの苦労を経験。何しろ小さいから口も小さい。吸う力もあまりない。いっくらおっぱいに近づいても、ただくっついてるだけ・・。それでも、病院の人たちは口をそろえて「吸っていれば出るようになるから大丈夫」と言う・・。・・「あの~、でも、ほとんど吸えてないんですけど・・、粉ミルクをとりあえずあげたいんですけど・・」、と言ってみるもさりげなく無視される。
翌日になり、「もう帰っていい??」と聞くと「小児科医のチェックをもらわないといけないので、小児科医が来るまで待っててください」と言われる。
・・・これが、待てど暮らせど、来ない・・。
午後になって担当看護婦が変わり、「しょうがないからとりあえず私がチェックしてあげる」と言われ一安心。が、「ちょっと足の付け根の間接に違和感があるから、やっぱり小児科医じゃないと退院許可が出せない」と・・。
・・・さらに、夜になっても小児科医は姿を表さず・・。
話を聞いてみると、「小児科医、二人しかいないのに、今緊急の患者が二人出て離れられない」。・・・「いつになったら来られるように??」。「わからない」。
・・・もう心の中で号泣。わからないって、わからないって、何だよ~!!??いったいいつ家に帰れるんだよ~??チェックなしで帰れないのか、と聞いたら、それはダメらしい・・。
・・・そして翌日・・・。
ようやく小児科医が来てくれた。ばんざ~い。足の関節もたいした問題じゃないから、大丈夫、と言われる。で、とりあえずここまで懸念だった事を聞いてみた。
「あの~、この子、お腹が空いてふがふがするけど、まだ一回も目を開けないんですけど・、何かすごく眠いみたい・」。「あ、そりゃあ大変だ、小さいからね、血糖値が下がってるんだよ。測ってみないと」。
で、結局血糖値が下がってるので、粉ミルクをあげながらまた一晩病院で様子を見ることに・・。がっくし・・。
ってか、だからあれ程「粉ミルクをあげたい」と言ったじゃないか~!!最初からあげていればこんな問題は起きずに、今頃平和に家に帰れたはずなのに!!何なんだ、何だかもう、母乳信仰を憎む気持ちに。2.56キロなんて未熟児ぎりぎりの体重なんだから、飲ませないと危ない事くらい素人でもわかるわ!!
夜が明けて、粉ミルク効果で血糖値も正常になり、またもや、小児科医のチェック待ち。
・・・丸一日、小児科医待ち・・。
・・・そして、翌日に・・。
この時、「このまま一生小児科医をここで待ってるのでは・・」と途方もなく情けない気持ちに・・。
その”夜”、ついに、ついに、小児科医がっ!!!!
この時夫も居たので、二人して「いえ~い!!ついに、ついに、小児科医だっ!!」と大喜び、小児科医、すごい大歓迎にびっくりして恐縮。ようやく退院許可が出て、ミニトラ、車上の人となりました。
・・・それにしても、結構大きい病院なのに小児科医二人だけって、足りないにも程がある。よくニュースで骨折の手術に何ヶ月も待たされた、と聞くけど・・、どうにかしないと本当に困るよ、医者不足。もし何かあったら間に合わなくなっちゃうよね・・、と怖くなった。
その後、家に帰ってきたミニトラは欲しいだけミルクを飲んで、むくむく元気に大きくなりました。その巨大化の様子はまた次回。
ちなみに、あちこちで「粉ミルクをあげだすと母乳を受け付けなくなるから止めた方がいい」と言われたけど、ミニトラは出る分だけはコクコクおっぱい飲んでます。大丈夫だよ~。
そんなこんななのでした。