出産の時の事を書かないと~、と思いながらあれよあれよと二ヶ月あまり。
ミニトラを生んだのは8月19日だったけど、実は破水は8月17日の夕方だった。チビトラは昼寝中で、5時ごろにぼへ~・、とソファーに座ってテレビを見ていたら、何となく違和感が・・、その日は朝から「何か変だ・・」と感じてはいたので、一応バスタオルを持ち歩いてお尻の下にひいてはいた。
がっ!!!
その違和感を感じて数秒後にはどんどん水が出だし、とてもバスタオルでは間に合わない事を悟ってあわてて立ち上がり、とりあえずタイル敷きのキッチンまでがに股でがにがにと急いだ。
もうね、出る出る。じゃあじゃあと。
で、タイル敷きでも間に合わないとなり、今度はシャワー室へがにがに。
それからシャワー室で水が止まってくれるのを待って、シャワーを浴びて、着替えて、あちこちにたれてる水を掃除して、又ソファーに戻ってしばしくつろいでみた。それというのも、チビトラを産んだ時も破水が先に来て陣痛まで数時間あったので、まあ、まだまだ余裕かな~、と。
この時「いよいよ産まれるな~、わくわく」と一人盛り上がっていた。
そうこうしていたら、夫から「ちょっと遅くなるよ、多分8時ごろ」と電話があった。「わかった~、さっき破水したけど、多分陣痛は当分来ないから、大丈夫」と、私が告げるとものすごくあわてた様子で「だだだ、大丈夫??ほんとに大丈夫??」と訊いて来た。産院から、病院に行くのは陣痛が5分おきになってから、と言われていた私は心のそこから余裕で「大丈夫」と答えた。
ところが、夜8時過ぎに帰ってきた夫が「心配だから念のため」と産院に電話して聞いてみると、「破水したらすぐに病院に来ないと!!」とオコラリタ。
え~、そんなの聞いてないし・・。
ともかくも、チビトラも連れて家から車で10分ほどの病院へ。
着いてから分娩室の待合室で待たされ、胎動を聞くための機械をつけられ、「ドクターが来るのは多分少なくとも一時間は後」、と言われ・・。「すぐに陣痛が始まらないんなら、家に帰りたいんですけど」と訊いてみるも、「胎動次第でわからない」との返事。ここで、夫とチビトラはひとまず帰宅。
・・結局、陣痛はしばらくきそうも無いので一旦家に帰ってよし、とお達しが出たのが翌日の朝・・、ち~ん。一晩中待合用の狭い硬いベッドで待たされてそれですか・・。
で、夫に迎えに来てもらって帰宅して陣痛を待つも痛くも痒くもないので、とりあえず、洗濯。さらに、掃除機。そして、買い物に。普通にご飯作って夕食をとり、就寝。
余談だけど、後日この話を日本人の友達にしたら「普通日本だったら破水したらすぐ出すよ!!感染症とか危ないんだよ!!」とあちこちで言われた・・。
ともかくも、翌朝、この時まで陣痛が無かったらとにかく病院に来るように言われていたので、私と夫はチビトラを夫の弟に預けて病院へ。
この時点で朝7時。分娩待合室にいると助産士さんが来て、「あ~、陣痛来そうも無いね。今分娩室いっぱいだからちょっと待っててね~」とのんびりと告げる。・・・ああ、分娩室も予約制だったらいいのに・・、待合用のベッド、しつこいようだけど狭くて硬い・・。
そのまま待たされ、ようやく10時になって「ベッド空いたよ~、どうぞ~」と分娩室に通される。・・っていうか、陣痛来てないのに分娩室なのね・・、もう即効産ませる気だから??
それからすぐに陣痛促進剤を点滴し始め、又痛くなるまでひたすら寝転んで待つ。
少し痛くなってきたな~、と思ったのが12時くらい。スタッフが入れ替わり立ち代りやってきてはいなくなるので、話を聞いてみたら、10室の分娩室に5人のスタッフ。ひょえ~、忙しそうだね、そりゃ。
1時くらいまでは痛いながらも無駄口を叩く余裕があったけど、それ以降はもうのた打ち回る痛さ。理性みごとにふっとびます。笑気ガスを使わせてもらえるんだけど、これがうっかり手から離れてとってもらいたい時に「ちょっと!!ガス!ガス!!」と叫ぶ。
しかも、このとっても痛い時に夫以外は誰もいない・・。スタッフ足りないから・・。頼れるのは夫だけ・・、ああ、頼りない・・、しょうがないので、思う存分痛みを訴える。・・ああ~、夫が産んだらいいのに~!!
やがて、いきまないと痛くてやってられない、と言う時になったら、何かを察したかのようにスタッフ大集合!!どこからともなくわらわらとほぼ全員がっ!!すごい、プロの勘??あ、私があまりにうるさいから??
それぞれ口々に「あ~、もう始まるね」、「まだ4センチだよ」、「しょうがないよ、止められないよ」、「はい、いいよ~。押して押して~」。
もうね、押しますとも。産んでしまえばこっちのもんだ、もう痛いのも終わるんだ。
ふん!!よっこいせっ!!
2時10分、出ました、つるりんと。
すぐに看護婦さんが口の中の異物を取り出したり、ビタミンKや肝炎の注射したり、処置が終わって私の上に。
・・・しわしわでおじいちゃんみたい・・。目もうっすらとしか開かないし、何だかコワイ。
正直、チビトラの時は二人とも初めての事だったので、ものすごく感慨深かった。でも、今回は二回目なので二人とも意外と落ち着いていて、ただ、しみじみと、とても平和な気持ちになった。
ようこそ、我が家へ。新しい家族。
チビトラ、夫、私でもう出来上がってはいたけれど、何となく形がぐにゃぐにゃとした私達家族を、ミニトラがより固めてくれたような、そんな感じ。
以前一人っ子の友達が「兄弟がいるって、親の愛情も分け合うんでしょ?私はしたくないから、一人っ子で良かったよ」と言っていたけど・・、そして私もそういうもんかな、と思っていたけど・・、二人の子供の母親になってみて、それは違うなあ、と思った。
愛情って、増えたり減ったり、測ったり出来る物ではなくて・・、チビトラも以前と同じに愛しいし、ミニトラも全く同じ位。さらに、家族全体としての大切さや重みが増した。守らないといけないものが増えて、責任も増して、自分が生きている事がさらに重要になった。
今はまだ二人ともいつでも手の届く所にいて、穏やかな安らぎの中で育ってる。でも、やがて成長して少しずつ私の手の届かない所にいる時間のほうが多くなって・・、世の中に出る時、色んな事があるんだろう。
辛い時、二人が助けを必要とするとき、いつでも手を伸ばせるように、私は出来るだけ長生きしないとな・・。二人が私と同じくらいの年になった時、私はもうよぼよぼのおばあちゃんだろう。その時、あなた達がどんな大人になっていても、今と変わらず愛していると、伝えてあげたい。・・・多分、それくらいしか出来ないだろう事が、たった一つ、悔やまれるけれど・・。
そんなこんなで、病院滞在編に続く。


















