オーストラリアでは、私の知る限り立会い出産が当たり前。出産すべく病院で診察を始めた時点で、「誰についていてもらいますか?」と聞かれます。それは、夫でなくてもいいんだけれど、陣痛を乗り切るのは、”信頼できる誰か”についていてもらう事が必要だから、と言うことのよう。
で、他のカップルを見ていても、よほどのことがない限りそれは夫。
家の夫は、始めのうちは「血が怖いからあんまり立会いしたくない・・」なんて言っていたけど、私にしてみると、他の人に立ち会われるなんて、絶対いや。と言うわけで、立会人はムリヤリ夫に決定していた。そもそも、こっちに自分の血縁の親族いないもん・・。
朝七時に分娩室に移った私からのメールで分娩室に現れた彼は、旅行用の小さいスーツケースを引っ張ってきていた。
・・いやな予感・・。
実は、専用の下着などの出産時用グッズは揃えてあったものの、「まだ10日もあるし」と油断して、ひとつ所にまとめていなかった。事前にこれとこれが必要だからね、と伝えてあったものの、夫はそれからまた自己判断して勝手に違う物を詰めて持ってきたのだった・・。
パッドの付けやすい下着も、授乳用のシャツも、なし(;´Д`)ノ。説明しても、わかってくれない。
そして、もう退院時の赤ちゃんの可愛いカバーオールとか持ってきてるし・・。まだ先だっつうの。
でも、何よりもう陣痛の痛みがどんどんひどくなってきていたので、それをしつこく言っている余裕はもうなかった。
痛いから、出来るだけベッドの上でじっとして居たかったんだけど、助産婦さんが「立っていないと子宮口が開かない」と言うもんで、がんばってテーブルに手を付いて寄りかかり、立ち続けた。
そこに、出産用の先生登場。
先生「(´∀`)や~、血圧を落ち着かせてもうちょっと待ってもらおうと思ってたのに、破水しちゃうとはね~。もうここまで来たら戻れないから、産んじゃっていいよ~」
私「(-x-;)私に選択の余地はないです。どっちにしろ」
先生「まあ、そうだね。陣痛はもうちょっとかかるだろうから、がんばってね~ヽ(゜▽゜)ノ」で、立ち去る。
うう、なぜ、なぜ、そんなににこやかなんだ・・、人がこんなに苦しんでいるのに・・、わけてやりたい・・。
・・・人って、苦しい目にあってると発想が悪になりますね・。私だけ?
さらに、かなり修羅場に痛くなってきた頃、先生もう一人登場。
先生2「(*^▽^*)こんにちは~、どう、調子は~?」
私「んあ?見ればわかるかと(だから何でそんなににこやかなのかと)・・」痛みで態度も悪くなっている。
先生2「わかる、わかる。私ね、内科の医者なんだけど、一応血圧の事があるから、産科の先生と私とで担当ってことで、ヨロシク(*^▽^*)」
私「はあ・・、い、いたた」
先生2「で、蛋白とかも出てるから、尿の管とか付けたいんだけど、いいかな~o(^▽^)o?」
私「もう、どうでもしてください・・、いた、いた・・」
で、痛い上に尿の管つき、何か点滴も付き、どさくさで学生を一人入れる事を夫が了承してしまい、先生1、2、学生、助産婦、看護婦さんの5人に囲まれながらの出産・・。多すぎ。誰かタスケテ。
で、この頃から部屋についていた痛み止めのガスを吸い始めたんだけど、効いているんだか、さっぱりわからない。とにかく痛い。効いていてあの痛みだったら、ガスなかったらもう死んだかも・・。
そんなこんなで、子宮口が十分に開いたのでいきんでいい、と言われたんだけど、痛くていきめない・・。しばらくやったけど、あんまり変化なし。そこに、出たり入ったりしている先生1がやって来て、
先生1「いきみ方が違う」
私「Σ(・ω・;|||」
先生1「あなたは、胸の方に力が分散してる。もっとこう、トイレみたいに」
・・・早く言ってよ、先生・・。もう、痛いし疲れたし、何か私このとき「もうやめて家に帰る」と言っていたよ。ほぼ、パニック。人生初のほんとにパニック。
先生1「ほいじゃ、会陰切開しよっか」
じょき。音、確かにした。でも、人に伝え聞いたとおり、産むのが痛くて、もうあんま感覚ない。
夫、この時点ですでに真っ青。パニくった私にしがみつかれたりするし。
赤ちゃんが降り始めてから時間がたちすぎてきたので、心配になり心電図をつけることに。
看護婦さん「心音がしません」
私「(((゜д゜;)))」
先生1,2「付け方、逆だから」
看護婦さん「あ、なんだ」
心音「とくとくとく」
私「(ノ◇≦。)かんべんして~」
先生1「もう、疲れて力が出ないみたいだから、吸引するよ。赤ちゃんも疲れちゃうし」
私「何でもいいから、早く何とかして~イタイ~、もう帰る~」
先生1「波が来た時に、一気にいきんで~」
私「出来ない~、もう出来ない~、イタイ~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。 ふんっ、ふー」
先生1「そうそう、そういう感じ~」
夫「もう出てきてるから、ちょっとだから」
私「うー、うー」
で、吸引といきみをあわせて数回で、ずるっとヽ(゚◇゚ )ノ。
ほえほえ泣いている。
生まれてしばらくは、ただぼーぜんとした。赤ちゃんを見せてもらって、抱いても実感がわかなくて「あ、そう、これが・・、そう・・」と。
夫は何かもうびびりまくりながらも、生まれたときは感極まって涙出てたらしい。私は、夫のことを気にする余裕はもうなかった。
しかも、胎盤出すからもう一回いきめとか言うのね、あの人たち・・、ヒドイ。そして、縫うのもイタイ。
でも、全部終わったら痛くなくなって、落ち着いたのでお礼とかちゃんと言いました。
しばらく、分娩室で夫と二人きり、いやいや、出てきた娘と3人でゆっくりさせてもらった。
私の胸にぺったりくっついて、じっと見上げてる。
ちっちゃい、ちっちゃい、命。
不思議な気持ちだった。なんて表現していいかわからない。本当に、不思議な気持ちだった・・。