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子供のころにしたよくわからないこと ブログネタ:子供のころにしたよくわからないこと 参加中


「子供の頃って今思い返すと不思議に思うような事をしてたな」

「あらそう。誰に依頼されたわけでもなく、日々の給食の風景を全てチェックしてクラスメイト全員の好き嫌いを完全に把握してしまったりする事かしら?」

「いや、そんな事をしてる人はいないと思うけど……例えば毎日……」

「毎日目まぐるしく変わる人間関係を、形成と崩壊の兆候を全て見逃さずに把握する事かしら?学年が上がるにつれて新たな友人関係が形成される機会はほとんど無くなってしまって、崩壊の比重が増えていくのが醍醐味かしらね」

「いや、だからそんな事をしてる人は……って、まるでしてたみたいな言い方なのが気になるな……」

「何をごにょごにょクラスメイトが皆体操服で登校してきているのに自分だけが制服で、何か重大なミスを犯してしまったとドキドキしていたら、クラスメイト全員が服装の乱れを理由に担任にこっぴどく叱られてしまって、一人だけ叱られなかったものの自分の方が悪者みたいな気持ちになってしまった男のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかく今の話がピンと来ないという事は、もしかしてあなたは廃校寸前の学校に一人で通っていたのかしら?」

「え?何で?お前が通ってた学校とそうは変わらないはずだぞ。一クラスに30人以上いたからな。少なくとも一学年に一人とか二人って事は無いぞ。どうしてそう思うんだ?」

「あら、だってクラスメイトがたくさんいたなら私が挙げたような過ごし方以外はありえないじゃないの」

「……学校ではクラスメイトの観察をして過ごすのが常識なのか……?という事はやっぱりお前が子供の頃はさっき言ってたみたいな過ごし方をしてたのか」

「さぁ、どうかしらね。誰がどの教科の時によく居眠りをしているのかとか、クラスで一番可愛いと言われている女子の後ろに座っている男子がジッと首筋の辺りを見詰め続けているのは何故なのかしらとか、その様子を隣の女子が横目でチラチラ窺っているのは何故なのかしらとか、そんな事ばかりしていたと思ったら大間違いよ。先生がよく注意する生徒としない生徒という不公平を発生させているのは、もしかして親の職業や年収などが影響しているんじゃないかとか、ある日突然一人の生徒が贔屓され始めたけれど、文字通り貝の詰め合わせでも賄賂として贈ったんじゃないかとか、生徒の好き嫌いを咎めるクセに、どうやらシイタケが入った五目御飯の時だけは先生が自分で配膳している気がするとか、理科の実験で白衣を着ると何故か普段と目つきが……」

「ちょ、ちょっと待った!もうお前がしっかり人間観察してきたのは分かったぞ!僕はただ子供の頃にしてた事を訊こうと思ったんだけどな。例えば毎日一つの石を家まで蹴って帰ってたとか……」

「あらそう。そんな事をして何がどうなるのかしら?」

「いや、だからそれを話題にしてるんだけど……何であんな事してたんだろうな、ってカンジで。学校から家までずっと道路の白線の上を歩くとか」

「あらそう。道も人生も真っ直ぐ歩けないから訓練されていたのね、可哀想に。でも本気で矯正したいなら家まで平均台を置いた方が良かったんじゃないかしら。突然道路に転げ落ちて自転車や車とぶつかっても責任は取れないけれど」

「別に意図があってやってたわけじゃないって言ってるじゃないか!よく分からないけどやってた事を話題にしてるんだぞ!」

「うるさいわね。そんな事を言ったら何もかも当てはまるわよ。子供の頃の事なんて、生きていた事すら何が理由なのか分からないくらいよ」

「うっ、そ、それもまたスゴイ話だけど……でも今違うならホントに良かったと思うぞ。とはいえ、何が理由か分からないって言いながら、今もさっき言ってたような観察は続けてるんじゃないのか?」

「あら、そんな事は無いわよ。今私が見ているのは、どの教科の時に居眠りするのかとか、何故か私の事をジッと見ている時があるのは何故なのかしらとか、その様子を私がチラチラ見ている事には気付いているのかしらとか、それから……」

「だからさっき言ってたのとほとんど同じじゃないか……」

「うるさいわね。全然違うわよ。今はあなたしか見ていないもの」


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