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タクシーの運転手に話しかけられるのは問題ない?苦手? ブログネタ:タクシーの運転手に話しかけられるのは問題ない?苦手? 参加中


「予期してない場面で話し掛けられるとちょっと戸惑ったりするな」

「………………」

「おい、ハイジ。聞いてるか?予期しない場面で……」

「ちょっと、お辞めくださいかも。こんなところで話し掛けられても会話になんて応じられないんでございますですなんだよ」

「何か口調がおかしいけど……こんなところって、ただの廊下だぞ?それともこれから移動教室か何かなのか?」

「んー?今まさか話し掛けられるとは思ってなかっただけですなんだよ。美容院に行ったりタクシーに乗ったり地図を持ってキョロキョロしている人の横を通り過ぎたり、そんな時でも話し掛けられないようにするには存在感を消すしかないんですかも!だから私は恥ずかしそうに、ハイジじゃなくてハジとして、念には念を入れて廊下の端を歩いて対処していたんですなんだよ!それなのに話し掛けてくるなんてとんでもない執念としか思えないんですけれどもなんですかも?そうなのかもです?違うかもなんです」

「いや、残念ながら普段との違いが全然分からなかったぞ。今の口調の方が余程違和感があるというか……もしかして僕やミニーと話す時以外はそんな話し方なのか?」

「むっ?僕とか知り合い風に話し掛けられても分からないんですけれどもかも?まさか新手の、すっかり顔も姿も見せながら振り込め詐欺を働く大胆な犯罪グループに違いないんですなんだよ!ガクガクブルブルなんです」

「気絶する時まで敬語を使うとは器用だな……って、そうじゃなくて、僕だよ僕!ミッキーだ!どうして顔と姿を見ても他人だと思うんだ!」

「ぴー!もしホントにミッキーなら右と左とか、前と後ろとか、影が二つあるはずなんだよ!今は一つしか見えないかも!」

「おい、まさかミニーの事を僕の影だと思ってたんじゃないだろうな?しかもその特徴でしか僕を認識出来ないなんて、僕に対してもミニーに対しても酷いぞ!」

「むむむ、ミニーの名前が出てくるという事は、どうやらミッキーで間違いないのかも?それとも下調べ充分の、用意周到の詐欺師という可能性が……」

「こら!僕かどうか見てくれれば分かるだろ!前もこんなような展開があった気がするし、いいかげん僕の顔を覚えてくれ!」

「ぴー!特徴の無さを私の記憶力のせいにするとはとんでもない責任のなすりつけが行われる恐ろしい世の中なのかも!ねぇねぇ、今日の日直の仕事、代わりにやってくれない?え、何で、別に大した仕事なんて無いじゃん。えー、何すれば良いんだったっけ?えーと、まずは職員室まで名簿を取りに行って、後は先生が入ってきたら挨拶の掛け声をして、それから黒板を消すくらいじゃない?えー、何それ、そんな簡潔に言わないでもっと複雑に説明してよ、もっと色々とあるはずだよ。うーん、あんたのために簡潔に説明してあげたんだけどな……とにかく出席とか欠席とか遅刻とか早退とかを書き込む必要があるから、職員室の入り口にある私達のクラスの名簿を先生が来る前に取ってこなきゃならないんだよ。え、もう一回、出席と欠席と何だっけ?遅刻と早退だよ、って、そこはあんたが気にしなくて良いと思うけど、それから先生が入ってきたり授業が終わった時は起立、気を付け、礼、着席、って言うわけ。え、もう一回、起立と着席と……?その間に気を付けと礼だよ、って、毎日やってるじゃん、それから休み時間に黒板を……あー、もうダメ、説明が長過ぎて私の記憶力じゃ全然覚えられない、だから代わりにやって!うーん、私も代わった方が話が早いような気がしてきたよ。うんうん、10日、じゃなくて11日前に日直やってたじゃん、だからそのついでだと思ってやってくれれば良いんだよ。ふーん、ずいぶん記憶力良いね……」

「誰なんだよお前らは!甘やかさないで厳しく接するのも友情だと思うぞ!って、それは良いんだけど、僕の事はちゃんと認識してくれてるんだよな?時々背後からでも体当たりしてきたりするじゃないか」

「んー?あれは一か八かの大勝負をしている時で、時々間違っちゃう事もあるのかも?」

「えっ、僕だと思って他の人に体当たりしちゃってる時もあるのか?それははた迷惑な話だな……」

「むっ、でもまだ間違えた事は無いから大丈夫なんだよ。とんでもない強運の持ち主かも!」

「いや、それはちゃんと認識してくれてるからだと思うぞ……まぁ良いか。とにかく、お前も言ってたようにタクシーとか美容院とかで突然話し掛けられると対処に困るよな、って話をしてるんだ」

「んー?今回はちょっと失敗したけど、聞こえなかったフリをして無視してやり過ごせば良いんだよ。もしくは話し掛けると損をするように仕向ければ良いのかも」

「うーん、二人きりの時に無視するのはちょっと難しそうだな。でも話し掛けると損をするってのも分からないぞ。どうやってやるんだ?」

「ちょっと、何を言ってるんですか父さん!バーベキューに肉が無いなんて、ダンスパーティーにチークタイムが無いようなものですよ!マイクみたいなオカマ野郎だって肉を持っていくっていうのに!」

「おい、何だ突然、意味が分からないぞ!」

「辞めてよ父さん!僕のベッドで寝ないでって言ったじゃないか!枕に父さんの黒い髪が残ってたら、どんなオリエントガールとアバンチュールしたんだ、ってナンシーに怒られ……わぁお、言ってるそばから、ちょちょちょ、ちょっと聞いてくれナンシー、そんな怒った皺くちゃな顔をしたら先週買った美顔器の効果が薄れるぜ、あうちっ!へーい、待ってくれナンシー!」

「そのアメリカのB級ホームドラマみたいなノリは何なんだ!ちゃんと説明してから話してくれ!」

「んー?だから話し掛けたらSONするんだよ。相手の息子になってしまえば良いんだよお父さん!」

「ソンっていうか、発音的にはサンだと思うけどな……わざわざ英語のSONにするまでも無く、聞いて損してたような気がするし」


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