【会話ブログ】あの時のあなたへ 後編 | 【会話ブログ】

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卒業アルバムに書いたこと実現された?    ブログネタ:卒業アルバムに書いたこと実現された?    参加中


前回


「それで結局卒業文集にはどんな文を書いたんだ?」

「しつこいわね。全てのマスが真っ黒に塗り潰されているだけよ。消されず掲載されてしまったわ」

「全部真っ黒!?……何をやってるんだ全く……そんな事してもそりゃ掲載はされると思うぞ。載せる事よりも載せない事の方がきっと問題になるだろうしな」

「あらそう。私の作文なんて誰も読みたくないはずなのにどうして載せたりするのかしらね。私も自分の想っている事を伝えたい相手なんて一人もいなかったわ。ましてや将来の夢なんて、卒業した瞬間に、いえ、入学する前から一切関わる事が無いと分かりきっていた人達に読ませてどうなるのかしら」

「いや、まぁその人達に対してじゃなくても、例えば僕みたいに後々出会う人が当時のお前の考えを知る事が出来たりするじゃないか。自分で思い返したりする事もあるだろうし。卒業文集にはそういう意味合いもあるんじゃないかと思うぞ」

「あら、平凡で平坦な学校生活を送っていたわりにはよく分かったわね。でも残念ながら作文は不完全で不本意な不透明な状態で掲載されてしまったからどうにもならないわ」

「えっ?じゃぁホントは真っ黒にしたくなかったのか?どういう状態にしたかったんだ?消されずに掲載された、って言ってたけど、消してもどうせ白紙になるだけだしな……印刷だから黒くなっただけで、ホントはカラフルに塗ってたりして……」

「あら、どういう事かしら。全てのマスをカラフルにちまちま塗って提出するなんて完全に頭の中が七色のおかしい人じゃないの、失礼な。ちゃんと書いたわよ」

「……黒く塗るのがちゃんと書いたと言えるのかどうか分からないけど……」

「違うわよ。ちゃんと書いたわよ、って言っているじゃないの。文章を書いて、それを黒く塗りつぶしたのよ」

「えっ?そうなのか?どうしてそんな事をする必要があったんだ」

「うるさいわね。先程も言ったように、将来誰かに読ませるかもしれないけれど、当時私の周りにいた人達には誰も読ませたくなかったからよ。だから私がもらう文集だけは印刷ではなくてそのまま私が提出した作文を返して欲しかったわ。ボールペンで文章を書いてエンピツで塗りつぶしたから、ちゃんと消しゴムで消せば文字が出てくるのよ。どうせあんな状態では受理されるはずがないと思っていたのにしっかり印刷されてしまったわ」

「な、なるほど。まぁたぶん担任もそこまで気付かないだろうしな……ちなみに黒く塗ったのを消すと何て文字が出てくるんだ?」

「さぁ、何だったかしらね。まさに闇の中という状態になってしまったからもう分からないわ。それはそうと、あなたは私の事をどれくらい理解しているのかしら?」

「え、何だ突然……僕としては誰よりもお前の事を理解してると思ってるぞ」

「あら、何故そんな事が言えるのかしら?」

「そりゃお前の想っている事は誤解せずにちゃんと理解したいと常に思ってるからな。お前が誰にも心を開かなかったのは散々誤解されてきたからだと思うし、本来は凄く優しくて楽しいし、それはお前が僕だけには心を開いてくれてるからだって感じるし……とにかく僕はお前の事を何もかも理解したくて、今の時点でも結構理解出来てると思うぞ」

「……あらそう。良かったわね。夢が叶ったわよ」

「え?そうなのか?僕の夢が叶ったって事は……僕はお前の役に立ってるのか。それは嬉しいな」

「あらそう。良かったわね。きっと嬉しいでしょうね」

「う、うん、それはそうなんだけど……結局お前が書いた夢ってのは何だったんだ?」

「あら、こんな事を訊くなんて、まだまだ完璧には私を理解していないみたいよ。もうちょっと待っててくれるかしら」

「え?誰に向かって言ってるんだ?」


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