「あー、何だか気持ち悪かったな」
「………………」
「何でなんだろう」
「………………」
「昨日はひょっとすると金縛りにあったかもしれないんだ」
「………………」
「あれって何が原因なんだろうな」
「………………」
「まさか霊とかじゃないとは思うんだけど……」
「………………」
「えーと、何か言ってくれるとありがたいんだけどな」
「………………」
「あの、会話を……」
「………………」
「まさか金縛りにあってたりして」
「うるさいわね。少しは静かに出来ないのかしら」
「えっ?でもお前と会話したいじゃないか」
「………………」
「うーん、一体どうしたんだろう。結構興味深い話題なんじゃないかと思ったんだけどなぁ」
「うるさいわね。私の事はどうでも良いから好きに話してちょうだい」
「うっ、それも何だか空しい気がする……えーと、まぁ昨日は夜中に何だか寝苦しくて目が覚めたんだけど、その時に身体が全然動かなかったような気がするんだ。その後また寝ちゃったからただの錯覚とかなのかもしれないけど」
「………………」
「でも何か物音がしたり霊みたいなものが見えたわけじゃないし、やっぱりただ寝惚けてただけなのかな」
「あらそう。良かったわね。それはとても良かったと思うわ」
「え?そうか?やっぱり霊みたいなケースだと危険なのか?」
「さぁ、どうかしら。霊なんて知らないわよ、そんなもの。今のはこっちの話よ。私の言葉が全てあなたに向けられていると思ったら大間違いよ」
「……うーん、どうも反応が普段と違うような……質問に切り替えるか……それとも話題を変えた方が……」
「何をごにょごにょ霊なんて全く見えないクセに形だけの除霊で高い祈祷料をふんだくっている生臭坊主のようにつぶやいているのかしら、気持ち悪いわね。とにかく金縛りなんて全て思い込みよ。脳だけが起きてしまったものの、身体はまだ眠っていて動かない、というケースは実際にありえると聞いた事があるわ。ましてや何も見えなかったし何も聞こえなかったんでしょう?それならまず疑うのは外的な要因ではなくて、自分の身体が平時とは異なるという要因を疑うべきじゃないかしら」
「なるほど。それを聞いて安心したよ。何だか突然脳だけが起きちゃったんだろうな。そういえばお前もそういう経験ってあるのか?……って、全然寝ないんだったっけ」
「ええ、そうね。私は眠らないけれど、ひょっとして金縛りなんじゃないかと思うような体験はあるわよ。生霊が見てたもの」
「えっ!?寝てないのに霊が出てきたのか?それって物凄く怖いじゃないか!大丈夫だったのか?」
「違うわよ。昨日は見てたもの、って言ったの。経験と言っても私が経験したわけじゃなくて、金縛りにあったんじゃないかと慌てふためいている人を見ていたのよ」
「それって僕の事を言ってるんだよな……やっぱり昨日も盗撮してたのか……?」
「さぁ、どうかしらね。ちょっとやり過ぎたかと反省しているわ」
「僕の身体に一体何をしたんだ!」
「金縛りにあっていないならクリック出来るわよね」
「ツイッター とかいうものを始めてみたわ」
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