「誰かと付き合っていても個人の時間を大事にしたい、って言う人は結構いるみたいだな」
「ええ、そうね。それまでその人が何年生きてきたか分からないけれど、別の場所で全く違う人生を生きてきた人と生活の全てを合わせるのは大変だもの。そう思うのが当たり前じゃないかしら。今あなたの目の前にいきなり見た事もない人が現れて、24時間365日、死ぬまでずっと一緒にいなければならないと言われたら発狂してしまうんじゃないかしら」
「まぁそれは確実に拒絶するだろうな。でも好きな相手だったらどうなんだろう」
「さぁ、どうかしらね。人それぞれ大切にしているものが違うから何とも言えないわ。もし誰かと付き合ったとしても、その恋人とずっと一緒にいる人なんていないと思うわ。例えば仕事を優先する時があったり、趣味を優先する時もあるんじゃないかしら。誰か他の人と過ごす事を優先する時だってあるわね。家族や友人との約束もあるはずだもの」
「なるほどな。そういうケースだったら結構ありそうだな。恋人よりも親友が大事、って言う人もかなりいるみたいだし」
「ええ、そうね。良かったわね」
「え?何が?」
「うるさいわね。私には親友なんていないし家族だっていないもの。私にとってのたった一人になれるなんて贅沢な想いをしたりして、良かったじゃないの」
「そう想ってくれるのは嬉しいけど、お前とハイジは親友じゃないのか!?っていうかしっかり両親がいるのに変な事を言わない方が良いと思うぞ!」
「うるさいわね。冗談よ。せっかくのチャンスをみすみす逃したりして、失礼な。何を考えているのかしら。腹立たしいわね」
「……冗談って言ってるわりには冗談っぽくないカンジがするんだけど……」
「うるさいわね。冗談だと言ってるじゃないの。そもそも人に順位なんてつけていたら誰に対しても失礼だと思うわ。もし現時点で親友が一番とか言ったとしても、人に順位をつける価値観の人では将来その親友を二番や三番にしてしまう可能性だって残されているものね」
「なるほど。大切な人は皆変わらず大切だからなぁ、順位なんてそうはつけられないよな」
「ええ、そうね。少なくともあなたは一番ではないけれど」
「いきなり順位をつけるな!前言撤回が早過ぎるぞ!しかもさっきはたった一人って言ってくれてたのに」
「うるさいわね。一番ではないと言っただけで順位なんてつけていないわよ。あなたはランク外だもの」
「うううっ、何だか一人だけ全く興味のない人みたいなカンジじゃないか……」
「しつこいわね。それで結局今日は何の話をするのかしら?重要な話題の順番がメチャクチャになって何が何だかさっぱり分からないわ」
「まぁ簡潔に言うと、お前は一人でいたい時と誰かといたい時と、どっちが多いのかな、って思ったんだけどな」
「あらそう。どうかしらね。誰かと一緒にいたいと思う時なんて全く無いんじゃないかしら。あなたは苦痛なのよ」
「ううっ、そ、そんな……じゃぁこうして僕と話してるのってお前にとっては苦痛なのか……」
「……違うわよ。あなたは普通なのよ、って言ったの。一人でいたいも何も、あなたがずっと隣にいるのが当たり前じゃないの。あなただけはランク外だってさっき言わなかったかしら?それともその他大勢の誰か中に戻って競い合いたいのかしら」
「ランク外って、僕だけ特別って意味だったのか……そこまで言ってくれるなんて僕はなんて幸せなんだ」
「あら、私が一緒にいるのが分かってずいぶん嬉しそうね。心配しなくても夜中もずっと近くにいるわよ」
「……それはなるべく自重してもらいたいんだけどな……」
「クリックしたあなたは良い意味でランク外よ」
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