【会話ブログ】人の家でも元気になれるのかしら② | 【会話ブログ】

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前回


「何だか元気が出ない時ってあるけど、そういう時でもすぐ元気になれるようなコツがあると助かるよな」

「うるさいわね。何だか元気が出ないんだからつまらない話を持ち掛けないでちょうだい」

「え、大丈夫か?体調が悪いのか?それとも何か悩みがあるとか……」

「うるさいわね。元気が出ない時に元気が出ない理由なんて訊かないでちょうだい。訊けば簡単に悩みを打ち明けるような人間は、実は大して落ち込んではいないのよ。話を聞いて欲しくて悩んでいるふりをしているだけと言っても過言ではないと思うわ。本当に深く悩んでいるとしたら、周囲の人とはかなり温度差があってとても話す気にはならないんじゃないかしら」

「まぁ言われてみればそういうものなのかもしれないけど、でももし何か悩んでるのが元気が出ない原因なら僕に話して欲しいな。お前のために出来る事があるなら何でもするぞ」

「あらそう。じゃぁ私が元気になるためにあなたは何をしてくれるのかしら?とても面白い事を期待してしまっても良いのかしらね」

「面白い事をすれば良いのか……?うーん、突然言われても困るけど……よし!じゃぁいっその事……」

「……ちょっと、突然手を握ったりするのは辞めてちょうだい。鬱陶しくてもっと元気が出なくなったらどうしてくれるのかしら」

「いや、僕だけが何かをするんじゃなくて、二人で一緒に身体を動かせば意外と元気も出るかもしれないぞ?だからちょっと立って踊ってみよう」

「……何が言いたいのかさっぱり分からないわ。踊った経験の無い私に恥を掻かせて、あなただけ楽しんで元気になろうという魂胆だったのね、失礼な。どんどん元気が出なくなって、もう立ち上がれそうにないわ」

「うっ、ごめん……いつもと全然違った事をすれば気分が変わって効果があるかと思ったんだけどな。ダメだったか」

「うるさいわね。踊りたいならそこで一人で狂ったように踊っていれば良いじゃないの。見ているだけでイライラして、あなたを引っぱたこうとするくらいには元気になるかもしれないわよ。今でもこうするくらいの力はあるもの」

「いててててて!手に爪を立てないでくれ!」

「ちょっと、手を離そうとしないでちょうだい。いつでも爪を立てられる状態というのは少しは元気が出るかもしれないわ。土曜日の分も今のうちに爪を立てておこうかしら」

「いててててて!ちょ、ちょっと待って!そういえばその週末だけど、予定が変わったんだ!」

「あら、どういう事かしら?予定が更に延びて2泊3日になったのかしら。それならもっと爪を立てておかなければならないわね、血でも見なければ収まらないかもしれないわ。全く腹立たしいわね」

「逆だよ逆!結局親戚は日中に他の用事が出来て、夜に来る事になったんだ!」

「……何が言いたいのかさっぱり分からないわ。あなたの週末が今更どうなろうと私には関係無いじゃないの。何でも良いわよ」

「いや、どういう事か分かってくれてると思ったんだけど……だからもし何も予定が無ければ、いつもみたいに会って欲しいなと思って……」

「……違うわよ。会っても良いわよ、って言ったの。あなたのような平凡な人の親戚の予定くらい私には既にお見通しだったのよ。常に大忙しの私が何も予定を入れなくて本当に運が良かったわね。そんな幸運をもたらした女神のような私に対してあなたは何か言いたい事は無いのかしら?」

「えーと、突然会えないって言ったり会えるって言ったりしてごめん。ただでさえ元気が出ないって言ってる時に……」

「あら、それは誰の事かしら?過去の私と現在の私を一緒にしないでちょうだい。そもそも何が理由で私の元気が無くなると言うのかしら。この私の精神を落ち込ませるような事態がそう易々と発生するはずがないじゃないの。まず第一に元気というのは数値を目で見る事が出来るわけではないし、それに多くの場合が単なる自己申告制の体調、もしくは精神の状態の宣布であって、その言葉に他人が真実を見出すのはとても難しいと言わざるを……」

「うーん、話してる様子が突然凄く元気になったような……何でだろう?」


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