「せっかくの夏休みだったけど、結局はバイトとかは何もしなかったな。来年は何かやってみようかな」
「んー?これは一大事なんだよ。バイトと言ってもそれはそれは多業種で多岐に渡っていて多様化しているんだよ。ミッキーは一体どのようなバイトをするつもりなのかはっきりと宣言しておく義務があるのかも。そうなのかも?違うかも」
「そんなにはっきりと明確には何も考えてないぞ。そもそも普段バイトしてると時間に追われそうだからな。やるとしたらやっぱり夏休みとかになるかな。まぁ暑くて大変なのはなるべく避けたいところだ」
「それならプールの監視員とか、海の家とか、交通整理の警備員とかが良いかもしれないんだよ!きっと涼しい想いが出来るかも。そうなのかも?そうに違いないのかも」
「どう考えても暑さの危険度が最高レベルのバイトって気がするぞ!どうやったら涼しくなるんだよ!一日ももたないかもしれないじゃないか!」
「そんな事無いんだよ!これだけ暑いとプールには人が押し寄せて、引っ切り無しに人が溺れるはずかも。そうなるとミッキーはもう救助のためにプールの中へ入りっぱなしになってしまうんだよ!早くプールの外に出たいと思うはずなんだよ。海の家もカキ氷を買いに来る人が長蛇の列を形成して、ミッキの手はずーっと氷が積もった状態になってしまうかも。かえって早く手を温めたいと思ってしまうはずなんだよ」
「うーん、何だかどう考えても楽しそうな気がしないな……人が溺れて大変な目に遭わないと涼しくならないってのは精神に異常をきたしそうだ。それはそうと、交通整理はどうして涼しくなるんだ?」
「んー?交通整理は……もう言わなくても分かるかも」
「おい!一番分からない所をウヤムヤにするな!どうやって警備員が涼しくなるんだよ。雨でも降らない限り、ずっと炎天下で立ち続ける過酷な仕事だと思うぞ」
「んー?そんな事無いはずなんだよ。きっとミッキーのようにボーっと交通整理をしていると【おい、あんちゃん!こっちの道何分待たせんだよ!ずっと向こうばっかし通してるじゃねーか!このノロマ!】と言われたり、【キャッ!もう!対向車とぶつかりそうになったじゃないの!あなたみたいな貧乏学生に私の車の修理代が払えるの?貧乏人は貧乏人らしく、せめてセレブの邪魔にならないように注意してなさいよね!】と言われたり、【おい!警備の!工事の人間が渡る時はちゃんと車止めとけよ!こちとら命懸けで難しい工事やってんだ!車を行ったり来たりさせてるだけの単調な仕事ぐらいちゃんとこなせバカ!】と言われたりするんだよ」
「何か聞いてるだけで気が滅入るな……暑いのにそんな事を言われたら精神が……って、どこが涼しいんだ!もう最悪の状況としか思えないぞ!」
「暑くてイライラした人間達の本当に嫌な嫌な、攻撃的で冷たい視線と、冷徹な言葉を一身に浴びるんだよ。きっと家に帰ってからも震えが止まらないくらい寒い想いをするのかも。ガクガクブルブル」
「なるほど、そういう冷たさだったのか。って、内容が暗過ぎるぞ!全く……バイトするのが怖くなっちゃったじゃないか。もう良いや、気を取り直して話を変えよう。お前は何かバイトしたいって思った事はあるのか?」
「むむっ?既に私はバイトをしているのかも?でもお金をもらうのがバイトだとすると違うかも。でも何かを確実に得ているのかも?それは友情だったり信頼だったりするのかも。とにかくとても説明するようなものではないのかも?そうなのかも。違うかも。そうなのかも?違うかも」
「何か妙に慌ててるカンジだけど……既にバイトしてるってのはどういう事なんだ?でもお金はもらってないみたいな事を言ってたな」
「んー?私はそんな事は何一つ言っていないんだよ!ミッキーが変な気を起こした時に変な動きをしないように導くのをミニーに依頼されたなんて事は全くありえないから心配しなくても良いかも。お金はもらってないし、善意で好きで楽しんでやっているからミッキーは何も気にしなくて良いんだよ。今回はバイトをするとか言いつつ明らかに浮気するつもりなのを悔い改めればそれで話は終了かも」
「別に変な目的があってバイトしたいって言ってたわけじゃないぞ。って……あんまりお前達二人の関係が強くなると、僕ではとても太刀打ち出来ないから恐ろしいな……」
「面白いと思ったなら私の顔に触れても良いわよ」
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ずっと変わらない~マック恋愛2~