呆然としていても、時は無常にも過ぎていくものだ。
そんな殺伐とした日々の中、上司に呼ばれたのだが。
部長:ネコヤマ。おまえ今回、昇格やからな。
みっく:え゛。
私は余程、イヤな顔をしたらしい。
部長:あ、いや!チガウぞ!仕事増やすとかじゃない!今まで通りやってくれたらええねん!
みっく:いえ、そんな。恐れ入ります。
正直なところ。〝困ったなぁ〟って思った。
せっかく評価をいただいたが、ちゃんと期待に応えられるだろうか。
もしも…だったら。私は何の御返しも出来ないのだ。ぐるぐる考えてしまう。
連日病院を探していた。
足の悪性腫瘍を手術してくれた病院は、今回コロナウィルスの患者を一早く受け入れていた。
そんな現場には行けないや。それに、引っ越した今は遠すぎる。通えない。
ニッセキ病院は…ダメだ。第一も第二もコロナだらけだ。
じゃあ、西の…あぁ、ここもコロナと書いてある。
いつもなら、ここを頼ろうと思うような規模の大病院ほど、院内感染が出て閉鎖されてしまっていた。
こんな時期、どの病院もコロナウィルスでパニックになっていた。
それも仕方ない。人類は未知との遭遇をしてしまった。対処も治療も手探りの、この最悪な病気は、連日絶望感が増すような情報ばかり量産していた。
悪かったよ。ガンより、いっそコロナなんて言って。私なんかよりも、最前線で恐怖と戦っている患者や医療従事者。
あぁ、これも運命なのかも知れないな。
これもまた、私の寿命なのだろう。そう、思わないと。
会社には、部長にだけ話した。
せっかく昇格させてくれたのに。ごめんなさい。
『身体を大切に、病気は治せ。きっと大丈夫やから。』
そう、力強く励まされる。
シテンチョーは、こっそり話しかけてくれた。
『大きい病院、行け?ちゃんと調べて、早く治すんや。』
後輩たちは、みんな涙目で言ってくれた。
『ネコヤマさん、病院行ってください。身体治してください。』
私は、温かい人たちに囲まれていたんだなぁ。
回復を願ってくれて。励ましてくれて。
あきらめるな、と。
ちゃんと、考えよう。
そうだ。
以前、ブロ友さんの1人が、ご親戚に医療関係者がいるって言ってたっけ。
こんな時期だけど、ちゃんと診てもらえそうな病院は、まだあるだろうか。聞いてみよう。
メールで連絡をすると、即座に返信をくださった。今の私の状況と、医師から聞いた情報を伝える。
『それは心配ですね、聞いてみますね。』
すぐにご親戚に連絡を取ってくださるとのこと。
ありがたくて…。
ありがたくて…。
涙が出た。