ノスケにはノスケの世界がある。つまり、彼なりの価値観があり彼なりの見方をしていると言うこと。
私は元々生真面目で頑固な性格で。自分の範疇外のことを理解しにくい⇒融通が利かないとも言える
保育園を辞め、年長さんだけ通った幼稚園。O先生は偉大であった。ある日ノスケの描いた絵。カラフルで訳がわからない動物。何を描いたの?『鳥さん!』⇒あのね、ココ木でね、ムシャムシャってしてね、飛んでるんだよ!
さっぱり訳がわからない。そんな私にO先生が言った。『お母さん、ノスケくんは天才よ!』
ノスケが描いたのは。お菓子の森のお話だった。カラフルな木は、たくさんのお菓子が成る木。お菓子好きな鳥は、嘴がさくらんぼで頭にもミカンや林檎がのっていた。先生は言った。『発想がすごい!ノスケくんは天才!』⇒夢のある絵を描くね、と。
O先生は、ノスケの独特の世界観を全て肯定した。だから奇抜な行動も言動も。全て認めて褒めた。先生がそうだから、お友達はみんな真似た。
子供は純粋なる故に残酷だ。指導者が否定すればノスケはたちまち『おかしいヤツ』である。O先生のおかげで周りの子供達がノスケを受け入れてくれたのだ。
先生とはその後、何年か交流があった。ノスケがアスペルガーだと卒業後に打ち明けたが、先生は驚いておられた。発達障害という言葉すらご存知なかったらしい(^_^;)
人って、価値観だなぁと思った。障害のことなんか知らなくても、自分と異なるものを否定することなく受け入れてもらえば、こんなに上手くやっていけるんだな。それまで私はノスケをどう伸ばして行くのかばかり考え模索していた。亡くなった師の言葉を思い出したのは、そんな頃だった。
『あなたと瞳で語り合う』⇒狭い考え方で否定するのではなく、相手を知りなさい。心を知り理解しなさい。
師は常にそう言っていた。O先生は無意識に、自然に。それを実践する人だったんだ!私は療育の方法を考えるのを辞めた。必要なことは。全て肯定し、ノスケの瞳の奥を知ることだ。O先生を見習って、彼の視線の先を追った。ねぇノスケ、何を見てる?何を考えてる?
そうしたら、すごく素直な彼が見えてきた。
ノスケは優しい子だった。会話は下手で不器用だけど、ものすごく根性があった。そして独自の世界観を持つ。私には想像もつかないような、その発想。その考え。その行動。どれを取っても突拍子がナイ。
本当だ。アスペルガーって天才♪