朝鮮王朝時代に著した
海洋生物学書『茲山魚譜チャサンオボ』は
著者で実学者の丁若銓(チョン・ヤクチョン)が
最果ての流刑地《 黒山島(茲山) 》で出会った
青年漁師：張昌大(チャン・チャンデ)の助言を得ながら完成させたものです。
この書物の史実を基に
美しい自然と豊かな海
貧しいながらも懸命に生きる島民の姿を
水墨画のようなモノクロームで描いた
ヒューマン歴史劇です。
原題 茲山魚譜／자산어보
邦題 茲山魚譜／チャサンオボ
1801年、正祖＝(イ・サン ) 亡き後
幼い息子：純祖王に代わり曾祖母の貞純王后が
権力を握り
異教徒たちを迫害し正祖の側近を追放
正祖王の時代に仕えていた
学識豊かな丁(チョン)三兄弟も処刑対象となり
次男の若鐘(ヤクジョン)は処刑
長男の若銓(ヤクチョン)と三男若鏞(ヤギョン)は
それぞれ別の場所へ流刑されてしまいます。
官吏にとって最も重要な徳は耐えること。。。
ヤクチョンは正祖の言葉を心に留め
いつの日か漢城(ソウル)に戻れる日を信じながら
魚に詳しいチャンデの支えによって
税に苦しむ島民たちのために
海洋生物の生態や調理方法
民間療法における活用法など
生活に役立つ知識を纏めることに情熱を注ぐ日々を
過ごし
向上心の高いチャンデも
ヤクチョンから朱子学(儒教)などを学べる環境になり
身分や年齢を超え
お互いの知識を教え合いながら
絆を深めていくのですが
いつしか、
思想や目指すものが違うことで
気持ちがすれ違っていき
激動の時代に生きる ふたりの運命は~~~
演技巧者ソル・ギョング＆ピョン・ヨハンを主演に
名助演俳優たちが
モノクローム世界の中で、力強く美しい色合いを見せており
深く心に刻まれる感動作でしたෆ⸒⸒
ちなみに
漢文で著された茲山魚譜チャサンオボですが
ハングルに翻訳される以前に
渋沢栄一の孫：敬三が
水産学者：鄭文基(チョン・ムンギ)との縁で
実現はしなかったけれど
出版を志した書物でもあります ◟𓆡◝ 
※ YouTube・画像はお借りしました。