黒豆 | 化石採集記 +α

化石採集記 +α

お医者さんを目指して修行中のおいしやさんです

こんばんは、ryoheiです。
6年生の実習が始まりました。今月は産婦人科でお産に立ち会ったり、手術に入ったり、と中々忙しく過ごしております。帰ってくるころにはもうフラフラで・・・来年からこれが毎日続くのかと思うと気が重いですね。

さて、今回は、春休みの終盤での採集物を紹介します。
5大学合同での東北巡検が終わって暫く経った後、実家への帰省を経て、昨年と同じく九州で巡検をすることにしました。昨年と同様、思うような化石はなかなか採れずにいましたが、まずまず満足の行く化石も幾つか採集できたので、今日はその内の1つを紹介します。
巡検も最終日、いよいよ明日は帰る、という日。石を割るのに疲れ、海岸にへたり込んで周囲の石を拾っていると、細かな化石を含む、拳半分ほどのノジュールを見つけました。
この産地では、基本的に化石は生の状態で含まれていますが、多少ノジュールに含まれるものもあるようだ、と言うのは今回途中で気づいてはいました。
但し、非常に硬くて上手く分離させるのは難しく、また入っていても中身は小さなデスモセラスばかりで、見つけてもあまり嬉しいと思えないものの方が多かったのですが、この時見つけた石は適度に風化が進んでおり、程よい具合に密集もしていて、上手いこと出せれば結構良い塊になるんじゃないかな、と期待して持ち帰ることにしました。
一度ハンマーを入れた時の衝撃で、何ピースかに分かれてしまっていたので、接着前にクリーニングできる部分は先にやってしまい、再度接着したのち、もう一度削って全体の形を整えることにしました。
全体のバランスを考えつつ、また海ずれのノジュールなので、保てる部分は海ずれの丸みを残すことを考えつつ、クリーニングするのは中々楽しいものでした。
最近部室のエアチゼルの調子が悪いので、代替が届いたらもう少し細かいところを仕上げて完成にしようかと思っていますが、今回の所は一旦ここまでで打ち止めとしました。

Desmoceras dawsoni 御所浦層群江ノ口層

ノジュールの長径は7cmほど、アンモナイトのサイズは最大でも1.5cmほどで、さほど見栄えのする石ではありませんが、黒豆みたいな黒光りのデスモセラスが8つほど入った、個人的にはお気に入りの標本となりました。もう少し削ってやればまだ出てくるのかもしれませんが、ノジュールの丸みを保つ意味で、これぐらいで満足しようと思います。
他の石も、これぐらい分離が良ければ嬉しかったのですが、生憎これ以外はカチカチの石ばかりで、今取りかかってるのも終わりはまだまだ先のようです。