ヘルシンキの目抜き通り「エスプラナーディ通り」を東の端まで行くとマーケット広場にいきあたります。
ここでは青果など食材が売られていて、地元の人の憩いの場。

注目したいのはマーケット広場と通りを隔てて大統領官邸が隣接している、ということ。なんでも例え大統領であっても国民と平等であるという、北欧でもっとも大切にされている「平等」の精神の現れなのだそうです。
他にもあります。
ヘルシンキの建物の多くは4階~5階までの高さ。

日本なら、京都や鎌倉のような風致地区で景観を保つためというのが理由のひとつですが、フィンランドでは理由が異なります。それは、「住人の間にヒエラルキーを生じさせないため」なのだとか。
建物の高いところに住む人が高給で優れている、低いところい住む人は貧しく劣っているという差別を感じさせないためのものなのだそうです。

もうひとつ、北欧には「信頼する」という精神があります。
それが地下鉄やトラムなどの公共交通機関に表れているんですよね。
地下鉄には改札がありません。
日本でいうところのスイカやイコカのようなICチャージカードをタッチするところはありますが、駅員がいるわけでもなく、ゲートがあるわけでもありません。
トラムにいたっては、基本的にチェックすることもありません。

これは無駄に人員を使わないという合理的な考え方もありますが、「あなたのことを信頼しているよ」という表れでもあるんじゃないかなと思うのです。
最近は移民が多く無賃乗車が増えてきて、たまに職員が突然乗ってきてチェックすることもありますが、「信頼しあう」ことは、人と人との心地よい関係を築く精神のひとつ。
人口わずか約550万人の国では人は財産であるからこそ、「平等」と「信頼」は必要不可欠なのかもしれません。
このようにデザインはおしゃれのためにあるのではなく
大切にしたい考えを表すツールです。
これは、何も街のデザインにか限ったことでなく
部屋のインテリアデザインも同じ。
そこに暮らす人が
大切にしている価値観をデザインで「見える化」すると、その人の個性や夢が開花します。
街歩きでは、ヘルシンキのアイコン・大聖堂の前でみんなで記念撮影!

まだまだ旅の思い出はいっぱいありますが、またの機会に!
「北欧の暮らしをめぐる旅2017夏」の回顧録はこのへんでいったんおしまいにしますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!