「折れない心とカラダ」をつくるフィンランド人の工夫<北欧の暮らしをめぐる旅2017 ③> | ふしぎと夢が叶う人のインテリア―北欧と日本、ときどきパリ
かつてマリメッコで働いていた、もうじき定年を迎えるというというリーッタさんのお宅を訪ねました。




フィンランドでは日本と同じく靴を脱いでから家にあがる習慣があります。

またフィンランド人はシャイなところがあり、生真面目で小さなことを気にしてしまう。

その様子は『マッティは今日も憂鬱』にも描かれています。




ナマケモノだと思われたくなくて、具合が悪くても出社してしまう、とか。

時間に遅れてジロリとみられてしまう、とか。

時間に遅れたり、人に迷惑をかけることはしたくないというところが
日本人と良く似ているなーと思います。

歩行者の信号無視とかも嫌がられるそうですよ。

リーッタさんのお宅は森に囲まれていて、フィンランドらしい庭が広がるおうちです。



庭といっても森そのもので、つくりこんだ庭ではありません。
フィンランドらしく地面は岩盤がのぞき、ちょっとゴツゴツしています。
北欧ではこのような自然のありのままの姿の庭を好む方が多いです。

北欧には自然享受権という権利があります。

誰でも自由に自然・森・湖を楽しむことができるという昔からある考え方ですが、20世紀に入り、慣習に基づいて関連する法案を制定・明文化されました。



自然環境に危害を与えない前提で、土地の所有権は誰であろうと、誰でも森に入り、自然を楽しむことが許されます。フィンランドではこのような権利のもと、森や自然に親しんでいるんですね。



今回はその庭でとれたブルーベリーを使って、フィンランドの伝統的料理ブルーベリーパイとカレリアパイをみんなでつくりました。



最初は作り方を教えてもらって…



自分たちでつくってみるも、ハプニングあり!
みんな大爆笑!たのしーい♪



カレリアパイできあがりー。



リーッタさんがキャンドルを灯し、テーブルセッティングしてくれました!

リーッタさんのお宅にはサウナもありました。



フィンランドの家庭ではサウナがある家が少なくありません。

ロウリュで蒸気を浴び、アルコールを飲みながら汗を流す。

リーッタさんも「これは欠かせないわ!至福のひとときなのよ」と笑って教えてくれました。




サウナはフィンランドの人にとって「コミュニケーションの場」でもあります。

上司や妻に「ちょっとサウナに入らない?」と言われると、ドキッとするそうです。サウナで大事な話、深い話をすることも多いそうで、リストラや離婚を切り出されることもあるんですって!


サウナは「心身のデトックスの場」でもあります。

フィンランド人は冬でもサウナに入っては冷たい湖に飛び込む…を繰り返す。これは二つの意味があります。

ひとつは「身体の健康のため」。温冷を繰り返すことで、血管の弛緩と収縮がおこり血液のポンプ作用で血流がよくなります。

もうひとつは「心の健康のため」。汗を流し、血流をよくすることで幸せホルモンが出ることが分かっています。こうやって鬱(うつ)になることを防いでいるんですね。


フィンランドには「SISU(シス)」というスピリットがあります。

日本語では「忍耐」と一般的に訳されていますが、「折れない心」という解釈がピッタリではないかと思います。

過去にスウェーデンやロシアの侵略にあった歴史、寒さの厳しい長い冬と、過酷な環境にあるフィンランドの人たち。

それを環境のせいにせず、自らの手で「折れない心」を育み「心身の健康」を保つにはどうしたらいいか?


今、日本も梅雨で憂鬱になりがちな季節です。
こういった工夫する姿勢はぜひ自分の暮らしにも取り入れてみたいな、と思わせてくれました。