中南勢音頭通信 道風茂/酒井子雲 2 恩讐の彼方 前・後編 | 私が言っては遺憾会(中南勢音頭通信)

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師、道風茂(酒井子雲)氏から七席の口演テープを三年にわたって送っていただいた。その都度気に入ったものを覚え演じていった。それらを並行して紹介していこうかと思ったのであるが、今現在、何かとせわしい状態にあって、思うように事が進まない、で、いただいた残り四席、すべてここで紹介することにする。

「恩讐の彼方」菊池寛の出世作であるが、前、後篇の二部構成である。これもすぐ後に、師の師、酒井雲氏の口演したものを手に入れることができて、大いに参考にさせていただいた。師、子雲とは、兄弟弟子である村田英雄のテープもあるが、同じ唄いである。私がやるのは前編のみ。その、前篇の「道中付け」があまりにも美しく、難しそうな後編には、結局手が付けられなかった。

尚、主人公の名前が、小説の原作では、了海であるが、ここでは全海となっている。これは事実、洞門を掘りぬいた僧りょの名が全海であり、浪曲ではこの名前が使われている。菊池寛の作品では、主人公了海は極悪非道の罪人であるが、実在の僧侶、全海師とは全く別の人であることは、現地を訪ねて確認ずみ。小説は小説。あくまでフィクションである。