中南勢音頭通信 有(う)爾(に)中(なか)会式おどり かわさき | 私が言っては遺憾会(中南勢音頭通信)

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この先、三回にわたり、この南勢地区のかわさき。甚句を紹介する。まずはかわさきを。

松阪地区との大きな違いは、甚句がある、ことは以前述べた。そのほかにも、ちょっと変わった特徴があった。踊りが変わるとき、切れ目をつけないのである。しょんがい、から、かわさき、さらに甚句へ、そして元のしょんがいへと切れ目なく渡っていく。特に宮古青年団は見事であった。まったく、踊りの切れ目を作らず、踊り続けたものである。もちろん音頭もそのように誘導していくのであるが、しかし、この「かわさき」は、である。

一応、本節のようではある。が、しかし、わが師、田中芳松の凛とした芸には程遠い。この地域は、もちろん、伊勢市に近い。そちらのほうからやってきたものであろうか。しかしながら、本場の「河崎音頭」とは、あまりに違いすぎる。やはり、阿坂(あざか)発祥のものが、伝わった、と考えるべきである。伝わり切ず、崩れてしまった、ということか。

以前にも述べたが、北西部地域以外で,いわゆる「本節」を唄える人は、ごくごく限られていたのである。ここでも、出口、吉田、両氏が「数え歌」を演っている。「本節」が出来ない音頭取りはほとんどこの「数え歌」を持っていた。いろいろな人の「数え歌」を聴いたが、この、吉田さんのものはさすがである。小生も飛び入りで初めて上がってみたが、テンポがなじめず早々に降りた。