ケニアのエルドレットという町でアパートを借りて住んでいる。そこからプロジェクトのある事務所まで、歩いて約20分。運動不足がちだからちょうどよい距離、時間だと思う。
チャイナ!チャイニーズ!
と、通勤途中に声を掛けられること数回。はっきり言って言われている方は大変気分が悪い。言っている方を見ると人懐っこそうな笑顔をしている人もいたり、あきらかにバカにしているような表情だったり。
ケニア人の同僚に、なんでこんなふうに声をかけるのか?これは非常に悪いマナーではないのか?と聞いたことがある。はっきりと答えてくれない。「日本人であるか、中国人であるか、韓国人であるかは区別がつかない」というがこれは理由になっていない。
時々むきになって、No! I am a Japanese!と叫び返すときもある。すると相手はおっ、という表情をして黙ったままである。
日本の存在感は高い、とケニアにいて思う。町の車のほとんどは日本製。最初から日本人、と自己紹介して話をし始めると、しきりに日本の先端技術をほめてくる。新聞にも日本の記事がよく出てくる。最近では北朝鮮の長距離ミサイルの発射実験の記事など。
中国、についても確かに存在感はある。町、農村部の自転車のほとんどは中国製。スーパー、日曜大工の店などでも中国製の製品があふれている。ある地域の大規模な道路工事は中国の会社が請け負っていた。また映画やテレビの影響で、カンフー、もよく知られている。ある農村部に行ったとき、近くの学校の生徒から、カンフーを見せてくれ、と言われまねごとをしたことがある。
中国の方がどう、ということはないけれど、どうも「チャイナ!」と声を掛けられることには慣れない。