ケニアでの「土のう」による農道整備手法の定着のための作戦を立てている。プロジェクトは今年の11月で終わり、自分も10月までの任期である。それまでに、継続的にケニアの人たちが「土のう」を使って道直しをしていけることを目指す。
ケニアに帰ってきての農家の方の、「土のう」に対する反応は上々。
「自分達で車が通れるように道直しをできるなんてこれまで思っていなかった」
「自分達で道を直そうという意識はなかった。でもこの研修を受けて意識が変わった。」
「簡単で効果的なところがいい」
「土のう」という技術に対して、そして「道普請」の精神はここアフリカでも人々に伝わっている。
今後袋の調達や、技術指導をケニア側が行っていくにはどうしたらいいのだろうか?
プロジェクトのカウンターパート機関は農業省と園芸公社。土木屋さんというのはいないけど、農業省には「Agricultural Engineering Service」という部門がある。ここには「エンジニア」がいて、土壌・環境保全などを担当している。農業土木、という分野にあたるようで、土木の技術を持っている。
現在この「Agricultural Engineering Service」のスタッフにも技術移転を図ろうとしている。
実はケニアの道路省のエンジニア、へ「土のう」による道直しを見てもらったことがあるが、あまりのローテクぶりのせいか、関心をもってもらえなかった苦い経験がある。農業省のエンジニアなら我々のコンセプト、農家の方自身が道直しをする、という点を理解してもらえるだろう。そして農家の方が「Links to market」を必要としているという現実をわかってもらえるだろう。
施工中、通りかかったドンキーカート、重要な運搬手段である。
学校などの建物用の石材を運んでいるトラクターが通過。
「土のう」は十分トラクターの重さに耐えることができました。
「Agricultural Engineering Service」の本部で説明し、レターを出してスタッフをデモに招待した。スタッフの旅費や宿泊費をどこが出すか、など議論を経て二人のエンジニアがやってきた。
まあ、関心があるのかないのか、一通りデモを見学して帰っていった。レポートを書いたというので、現在それを送ってもらっているところである。
まだまだデモを行うので、他のスタッフを同部門から呼ぶことも検討している。