水が必要! | 道普請人_http://coreroad.org/のブログ

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 日本では水道をひねれば水が出てくる。いとも簡単に欲しいときに欲しいだけの水が得られる。これが当たり前のように過ごしてきた。が、ケニアの農村部ではそうはいかない。

年間降雨量が400 mm程度の乾燥、半乾燥地帯では生活用水、そして灌漑用水の確保が大変だ。



コンクリート製の沈下橋

(川ですが、完全に干上がっている。一方、雨季には道路面は水没してしまう。)


そのような気候であるエンブ県には、住民自らが労働しサンドバッグ(「土のう」の大型版)を積んで水をせきとめ、生活用水に利用している箇所がある。昨年ケニアの新聞にその施工の様子が紹介されていたので、現場を見に訪れた。

地方行政の主導があり、このグループはエンジニア、袋材、ため池から水をひくためのパイプ、水道口などの資材提供を受け、週に2日間6ヶ月に渡って働き、3,000個のサンドバッグを敷設してダムを完成させた。その後、フェンスでため池を囲い、水の利用についてグループ内でルールを決め統率している。メンバーのみが利用でき、一日各メンバーが利用できる水量はバケツに何杯というように決められていた。毎週月曜日にはため池近くに集まり、水位によって水の利用料を決めるなど話合いをするらしい。そして各メンバーが一人20シル(約40円)を持ち寄り、これをメンバー内で困っている人に支給しているという。このことを「メリーゴーランド」と言うそうである。

 水の大切さを改めて痛感させられた。



サンドバッグで水をせきとめため池ができている様子

なお、サンドバッグ表面は土で覆い、種をまいて植生されていた。



ため池からパイプで水を導き、このような蛇口を設けている。