選挙後の混乱後、プロジェクトが対象とする農民グループの現状調査の結果報告があった。混乱の影響で、グループが機能しなくなっているのでは、と危惧されたが多くのグループが機能していて私たちのプロジェクトの活動を続けて行きたいと考えていることがわかった。
農村インフラへの要望としては、農道、そして灌漑施設への要望が多いようだった。一刻も早く現場を見て対策を検討していきたいところだが、治安上の問題でJICAがまだ現場へ入ることを許可していないので現地へ入れない。
少しでも情報を集めたいと思い、対象グループの位置を等高線の入った地形図上で確認しようと考え、地形図を入手するために土地省測量局を訪ねた。この部署に日本人専門家もおられ、その方を通じて情報を集めた。
日本では5万分の1の地形図は地図屋に売っている。昔、北海道斜里岳の付近の地形図を購入し、等高線状に厚紙を切り重ねて貼って山の形を再現したことがある。ところが、ケニアでは国防上、地形図の入手には正式な要請のレターがいる、という。面倒だなと思いながら、ひとまず実物の確認をと思い、現物を見せてもらった。全国をカバーしていて5万分の1、10万分の1、25万分の1とそろえている。印刷は最近されていても、データは1970年代のものだという。大きく地形は変わっていないから実用に耐えるでしょう、と専門家の方から助言をもらった。JICAのプロジェクトで利用することを口頭で説明すると、その場で購入することができた。
対象グループの位置を地形図上で確認し、あとは現場で住民の要望を踏まえて対策を提案、実行していく。