ここ数日毎日打って積んでいた日記です。
9日から数日、柏のダイニング・カフェAZITOさんで、作品作り作業をさせていただいていました。
昨年末でAZITOを離れることになった、スタッフのゆうと君へのプレゼントに、
ヘッドバンク(実物大の、人の頭の形をした貯金箱)に、ゆうと君の似顔絵を描いてその中に皆からのメッセージを書いた紙を入れてプレゼントする企画で、ゆうと君の似顔絵を描いて欲しい、というオーダーを、ぢょーぢさんからいただいたのでした。
最初、ぢょーぢさん的にはマジックペンで描くようなライトな感じのイメージの発注でしたが、
人生の大事な節目に、皆の心のこもったメッセージが入る入れ物なら、全力で作りたいと私は思いました。
そして、入れ物が人の顔の形をしているなら、最高にリアルな形で表現したい、という創作意欲が燃えてしまい、時間をかけて、とことん凝ったものになりました(笑)
15日の夜がAZITOの食事会兼ゆうと君送別パーティーで、そこで本人に渡すまで、絶対にバレてはいけないミッションでした。
本人に無事に渡すことができたので、やっと報告できます。v(^曲^)v
【1月9日。作業1日目。】
ゆうと君用ヘッドバンクがまだ手元に無い状態だったので、先にお店にある備品の同じ形のヘッドバンクを参考にしつつ、オプションの黒ニット帽を編みました。
4本棒針使用で輪編み、「1目ゴム編み」というベーシックな技法です。
折り返しの無いものをよくかぶっていたということで、ショートタイプ。
目数を減らしていって、とじて出来上がり。
かぶせるとこんな感じ。
こちらの透明な子はAZITOさんに設置されている募金箱です。
中身が透けて、なんとなく機械の体っぽい感じになってますwww
この日はここまでで終了。
【1月10日。2日目。】
試しに、前日に編んだ帽子をかぶせてみた。
あら、綺麗。モデルさんみたい。
この子は厚めのプラスチックで出来ているのですが、このままの状態だと、お肌の表面にぴっかぴかのコーティングがほどこされており、使いたい絵の具(アクリラガッシュ)が全然乗らない(塗っても乾いたら指で触っただけでペロッと取れてしまう)ので、絵の具を乗せる前に下準備をしました。
まず、ヘッドの表面を全体的に、耐水性の紙やすりで削りました。
すごく細かいほうの紙やすりを、目の粗さ4段階くらい用意して、水をつけながら1回1回ムラが出ないようにまんべんなく研磨、スベスベの質感を出しました。
それから、ガラスなどのツルッとした素材にアクリル絵の具を使うときに下地に使われる「ガラスプライマー」という液体を全体に塗布。
ガラスプライマーが完全に乾くまで待ってから、肌色のアクリルガッシュに、水の代わりに、絵の具の伸びを良く、乾きを少しゆっくりにしてくれる「ペインティングメディウム」という液体を適量混ぜて、ヘッドの全体にムラ無く塗布。完全に乾かして、また同じように重ね塗り、乾かす。3回繰り返して、さらに絵の具をスポンジにとって全体的にポンポンたたき、キメの整ったきれいな肌色が塗れました。
うーん、いいね!
いい感じに気持ち悪いね!!(笑)
どうやら女の人の頭のような印象で、ヒゲキャラゆうと君の男らしい感じを表現できるか、この段階ではちょっと未知数で。
目がこわいよwwwwww
この日は肌色を塗る作業だけで終わりました。
こちらはAZITOのハーブティー。作業中よく飲んでいました。
お酒を飲むお店ですが、コーヒーやお茶も充実しています。
ハーブティーは9種類、それぞれ美容効能別に味が選べて、全部味もいいのでおすすめです。
【12月11日。作業3日目。】
この日は、メインの顔を描き入れる作業。
1日目、2日目は、結構気楽に作業ができましたが、このときは内心、すごく緊張していました。
だって、いくら綺麗に色を塗れても、実際に本人と顔が似てなかったら、意味がないんですよ!!
前日の夜から、ゆうと君の顔がいろんな角度から撮影されたものを探してガン見しながらイメトレ。
ちょっとナーバスなくらいでした。
そこまでの情熱はたぶん誰も望んではいなかったと思うのですが(苦笑)、
私の中にある作品作りに感じるロマンの問題です。
最初に、スケッチブックにゆうと君の似顔絵を描いてみました。
何回か描いて、雰囲気をつかんでから、まずシャーペンで下描き。
時間をかけました。
集中しすぎて余裕がなく、顔入れ作業中の画像撮ってません(汗)
AZITOさんで撮影してもらっているので後日もらおう。
下書きが終わってから、アクリラガッシュで顔のパーツを描き入れていきました。
ガッシュは不透明で乾くと耐水性、描き損じても上から描けばやり直せるので安心して作業できます。
目の凹凸部分が気に入らなくて、最初粘土か何かで埋めようかなと思いましたが、あんまり時間もなかったので、あえて凹凸は気にせず“そう見えるように”無理やり色を入れてみました。
ヘッドの左右の肉付きや目の大きさが最初から違ったので、左右対称に調整するのがちょっと大変でしたがなんとかなりました。
元の目の形を無視して調整した跡です。
目だけじゃなくて実は唇も、上唇のラインを調整して薄く見えるように入れています。
黒目にハイライトを入れ、アクリル絵の具用のグロスコートスプレーをかけたところ。
瞳が輝いています。
グロスのスプレー、超くさかった。。。。石油系の危険な香りでした。
2度掛けしました。完全に乾けば無臭です。
セクシー泣きぼくろの持ち主。
似てるといいなー。と思いながら眺める。
あとは、アゴにヒゲをつけたら完成です。
本当はモミアゲとか髪の毛の表現もやりたかったけど、日数が決まっていて間に合わなそうだったのでやらず。
この日はここまで。グロスをかわかす為スキンヘッド状態で放置して帰宅。
こちらAZITOさん自慢のタコ飯アジトスタイル。
頼んだところ、店内に1枚しかないというレア皿でやってきましたwww
アレでした(笑)お皿に口つけてかきこむのがためらわれる感じでした。
タコがたっぷり入っていて、すっごいおいしかったです!
AZITOマスターぢょーぢさんはお茶目なイケメン兄さんです。
≪宿題≫
家に帰ってから、アゴの部分に施すヒゲ植毛技術の研究をしました。
まず、家中にある、ボンドや接着剤のたぐいを全部集めて用意。
ハケの柄の部分にヘッドに塗ったのもと同じ絵の具を塗り、グロススプレーしたあとに、どの接着剤が一番ヒゲがくっついた時とれなくなるかの実験をしました。
ちなみにヒゲは、木綿糸で出来ています。
ゆうと君は、髪は黒、ヒゲは茶色で生えてくる特徴がある人ということが発覚し、黒い糸を慌てて茶色に染め乾かしたのち、ハサミで細かくカットして作成しました。
5種類くらい試して、グロススプレーの上からだとどれもつきにくいということが判明したのと、ラインストーンデコ用の接着剤で比較的付きのよいものを発見し、毛穴をカッターでちょこっと傷つけてそこにデコ接着剤をつけたヒゲを植え込む技法を思いつきました。
どんどん手間のかかる方向へいくのをもう誰も止められません(笑)
最後まで好きにさせてくれたぢょーぢさんに感謝です。
【12月12日。作業4日目。】
植毛DAYです。
これで8割がた完成の状態。
ピアス。特徴のひとつなのでしっかりつける。
毛穴を定めて、カッターで表面を点の状態で削ったのち植毛。
ピンセットで1本1本、先にちょこっとだけ接着剤をつけて、カッターで開けた穴にピンポイントで刺し込んでいくということをやりました。
目がショボショボしたけど、面白かったー!
この角度やばい。
毛穴の場所がわかりにくかったのでペンで印をいれたらさらにやばくなった。
わさ~。
ざわ~。
もさ~。
果てしない作業でした。
すごい時間かかったけど、終わっちゃうとそれはそれでなんか淋しいものです。
横から見た図。
帽子の図。
完成だぜ!!!!!!(ドヤ顔)
それをきれいにラッピング。
…帽子と顔のパーツが若干透けてるwwwww
さらに梱包してラッピング完了。
15日の夜、AZITOのお食事会に参加して、ゆうと君がプレゼントを受け取るさまを確認しました。
思っていた以上に似ていて、ホッとしました。
なにより本人が「すごい。これは嬉しいっす!部屋に飾ります!!」と、テンション上がって喜んでくれて、しばらくじーっと見つめていました。自分の顔のやつを。
まわりにけしかけられて、接吻してました。自分の顔のやつに(笑)
そんなに喜んでくれるなんて、と思うくらい喜んでくれたので、本当に報われました。
ゆうと君、新しい環境でも、がんばってね!!
ぢょーぢさん、忙しい合間をぬってヘッドバンクを手に入れるために奔走したり、メッセージを集めるための呼びかけ作業をすっごいやっていたり、メッセージを集めるために時間かけてお客さんたちに作っていたメールの操作画面が消えて頭を抱えていたり、めげずに作り直していたり、数日間作業しながらその様子を見ていて、ぢょーぢさんの部下思いの行動に感動し、ゆうと君は愛されてるなぁと思いました。
いろんなお店さんを見てきたけれど、ここまで部下にかける上司って素敵だなぁと思いました。
AZITOのことが、もっと好きになった次第です☆☆
喜んでもらえて、本当によかったー。
これからも、いろんな大事なもの、心を込めて作っていこうと思いました。
ありがとうございました!!!!!!!
立体に似顔絵、楽しかったので、またやりたいです。
やるなら立体を作るところからやりたいです。
似顔絵するなら、一人ひとり骨格が違うところまで表現したいなぁと思う次第です。
ではまた。