映画「ハート・オブ・ウーマン」 | michi の ひとりごと

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優しい春のような そんな気持ちで 過ごしたい ・・・

「ハート・オブ・ウーマン」(What women want)は、2000年公開のアメリカ映画で、メル・ギブソンとヘレン・ハント共演による広告業界を舞台にしたライバル同士の恋愛模様をユーモラスに描いたラブ・コメです。

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◇ストーリー
シカゴの広告代理店のクリエイティブ・ディレクター、ニック(メル・ギブソン)は、タバコ・酒・車など男性向け商品広告で多くのヒットを飛ばし "男っぽさ" を売りにしている彼は離婚し、女性に対してはどんな口説き方をすれば落とせるかなど自信満々の生活を送っていた。

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ある朝、社長から呼び出され、新しいクリエイティブ部の部長の座にライバル社から引き抜いたダーシー(ヘレン・ハント)を据えることを告げられる。

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自分がそのポジションに据えられるものと思っていたことから愕然とするニックだが、社長から「彼女は女性向け商品の広告で多くの成功を収めている。消費のリーダーはいまや女性だ。」といい渡される。ニックの上司となったダーシーは、バリバリの女性エグゼクティブで、会議の席上ストッキング・ブラジャー・マスカラ・口紅などの女性向け商品一式を渡し、広告のアイデアを考えてくるよう課題を出す。ニックは女性の気持ちになって考えようと自宅でそれらを身に付けてたりしてみるが、元妻から預かっている娘が帰ってきてあわててバスルームに身を隠す。しかしここでアクシデントに見舞われ、浴槽に落ち運悪くドライヤーが落ちてきて感電し、朝気付くと女性の声が聞こえるようになっていた。

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周囲の女性が考えている内容は、想像していたのとは大きく違い、愛想のいい女性スタッフは彼を嫌っていて、いくら口説いてもなびかなかったコーヒーショップの女店員は実は彼に気があったりと態度と本音のギャップに驚くのだが、ふとあることに気が付く。"女の気持ちがわかるってことは、女に受ける広告が作れるってことじゃないか!"ダーシーの心の声を聞いたニックは、外見からは想像もつかない不安を持っていて周囲の評価を気にしながら懸命に頑張っていることを知ることとなり、ダーシーも不思議なほど自分の気持ちをわかってくれるニックに惹かれはじめていく。

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ダーシーとニックのチームの最初の大仕事は、NIKEの女性向け広告であり、ニックはダーシーの心の中にあるアイデアをつい読み取り、それをパクってプレゼンし大成功をおさめる。素直にニックの実力を認めるダーシー、そして後ろめたさとダーシーへの愛しさに心揺れるニックだが、ニックの実績を高く評価した社長がダーシーをクビにしてしまう。ニックはダーシーの首を取り消すようにかけあうのだが・・・娘が彼氏にふられて大泣きというトラブルがあったり地味で自殺願望のある女性も何とかしなければと直ぐにダーシーの家に向かうことが出来ない。早くそれらを解決してダーシーに会いたいと走り回るニックだが、途中自殺願望を持っている女性の家に向かう途中ニックは火の粉を浴び到着すると、彼女の心の声が聞こえない。とうやら治ったらしい。そしてニックはダーシーに会いすべてを打ち明ける・・・。


女性の心の声が全て聞こえしまうというのはユニークで面白い設定だなと思いますし、自分に愛想よくいつも接してくれている女性たちの「臭い!香水付け過ぎ」「まともな仕事をくださいな!」など聞きたくないような本音の声が聞こえてきたり、○○○の最中「思ったより小さい」なんて聞こえてきて "続行不可能" になるシーンには大笑いしてしまいますが・・・

鑑賞しながら "憎んでいたダーシーの心を読むうちに彼女に同情し共感し遂には愛してしまう" とう展開は簡単に予測出来ますし、これくらいの内容であればその辺にあるラブ・コメと大差ないってことになります。この作品はそうしたことにならないよを意識したのかどうかわかりませんが、荒唐無稽な話の中に "リアル" さを持ち込んで回避しているようで、ストーリー展開上大きな影響は与えていませんが、観終った後 "面白かったけど印象にあまり残らない" というありがちな作品とはチョット違った印象を受けるのはその為・・・かもしれません。

例えば、珈琲ショップで働くローラは "そっけないそぶりをするもニックに気がある" という部分は "そうそうあるよねぇ" と男性の方は思い当たることもあったりするでしょうし

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"存在感が薄く誰も気にかけない・奥手で自信のない資料運び" の女性エリンの声を聞いて、ニックは彼女に新しい仕事を与える訳ですが

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その際本当に嬉しそうな表情をする彼女の笑顔には "よかったね、おめでとう" と思わず声を掛けてやりたくなります。

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これらのエピソードは、ニックの心の変化を上手く演出しているように思われますし "笑いと恋物語だけで終らせないよ" というパターン化されたラブ・コメとはチョット違う作り手の気持ちが感じられる・・・そんな気がします。


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