"スペシャル時代劇 大岡越前「名裁き三方一両損」" | michi の ひとりごと

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優しい春のような そんな気持ちで 過ごしたい ・・・

「スペシャル時代劇 大岡越前」は、2013年3月30日から、NHK-BSプレミアムで放送されたものですが

大岡越前03

1970年から1999年、2006年にTBS系列で放送された加藤剛主演「大岡越前」をリメイクしたもので、制作も同作品の版権を持っているTBS時代と同じC.A.Lが行っていて、タイトルの題字・主題歌・音楽もTBS時代と同じものが使用されています。

大岡越前02

今回は6月15日に放送された第6回「名裁き三方一両損」の紹介で、ストーリーは・・・

大工の佐吉が三両の入った財布を拾い、落とし主の元次に届けたが、元次は一度落とした金は要らないという。江戸っ子同士の妙な意地の張り合いに、こちらも意地っ張りなけんかをしていた忠高と源次郎も絡み、事態は混乱するばかり。あげくには忠高とその妻・妙との離縁の話にまでなり、困り果てた周りの人々は、お白洲で決着をつけようと忠相に依頼する。
(NHK HPより)

というもので、ラストの裁きのセリフ・・・

大岡越前

世の中、己が利欲にのみ走って人はどうで良いというものが多い中で佐吉と元次は得をするどころか損をしてまで江戸っ子の意地を張ろうとしている。しかし、世の中意地張り合っていたのでは丸く収まらぬ。譲るべきところは譲り合って世の中初めて丸く収まり回っていくのである。のう?

そこで・・・佐吉にも元次にも少しずつ譲ってもらって財布の中の三両の金二つに分けて一両二分ずつ仲良く分けたらどうだ!といおうと思うたのじゃが、裁かれるその方たちにだけ損を我慢をしろと申し渡しては奉行一人がいい気でいると嗤われよう裁く奉行も損をし、我慢をしなければならないとそう思うたのでな・・・

これは奉行の小遣い。我慢して奉行も小遣いの中から金子一両お前たちにやることにした。奉行が出した一両と財布の三両を合わせると金子は四両と相成る。これを佐吉と元次の両人に分けて佐吉が届けた財布を黙って受け取れば三両手にすることができた元次が二両貰って一両の損、元次のいうように財布を持って帰れば三両使えた佐吉が二両しか受け取れないで一両の損、こんな裁きを持ち込まれなければ金を出さずにすんだ奉行も一両の損、名づけて「三方一両損の裁き」どうだ、これで承知してもらえぬか?


"相手の弱みにつけ込んで勝つことを潔しとしない心" である "いい意味での痛み分け" を忘れないようにしなさい・・・と当たり前のことではありますが "そうだよねぇ" と納得してしまいます。

最近では製作に費用がかかることもあって時代劇は再放送を除きほとんど観ることがありませが、そうした中その昔から親しまれている定番 "大岡越前" をNHKがというのは、実は個人的にかなり好印象を持っています。チョット乱暴ないい方ではありますが "たかがドラマ" ですし、劇中どんな展開になるのかミエミエで "こうなるだろうと予測した通りに進む" こともあってシナリオとしては面白いものとはいい難いモノですが、巷で(あえて何がとは書きませんが)納得出来ないようなことも多い中、一瞬ではありますが "爽快な気分" にしてくれますし、気持ちをリフレッシュしてくれているようで心地よかったりする・・・というのがその理由です。

最初は加藤剛のイメージが強かったこともあり "東山越前" には違和感も若干ありましたが、見慣れるとこれもアリだなと思えてくる・・・ "不思議" ですね(笑)

大岡越前04

追記:
相撲の世界では、2人の力士が土俵の外に出たり足の裏以外の部分を土俵に付くのが同時だった場合取り直しとなりますが、もし片方の力士が負傷し取り直しが出来なくなり審判団が続行不可能と判断した時は、負傷していない側の力士が "相手が負傷しているのだから辞めましょう" といえば引き分け=痛み分け、"認められない" といえば不戦勝になります。ただこの "相手が負傷しているのだから辞めましょう" という言葉には、単純に争いごとで双方の意見の間を取って決着させるという一般的な使われかたとは違う "相手に対しての敬意と思いやり" が込められているように感じますし、個人的にはこうした気持ちがあってこそが "痛み分け" ・・・だろうと思います。


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