こんにちは、
占術家・虹羽(こう)です。
私、実は子供のころから
大の「妖怪好き」なんです!
幼少期の愛読書は
水木しげる大先生の『妖怪大百科』
今話題の「アマビエ」さんも、
私が子供だった昭和の時代から
妖怪好きにはお馴染みでしたが、
まさか令和の時代、
2020年に誰もが知るような、
こんなにメジャーな存在になろうとは!!
(そういえば近年のアニメ
『ゲゲゲの鬼太郎』にも
登場していたそうですが)
水木しげる先生のアマビエ↑
このアマビエ。
記録によると、江戸時代の弘化3(1846)年、
肥後国(熊本県)の海中に出現し、
「6年の間豊作。
病気がはやったら私の写しを人々に見せよ」
と語ったとされます。
ここでアマビエは、
豊作と伝染病について、
未来のことを予言しています。
アマビエが有名になったおかげで、
最近はその他の予言する妖怪、
アマビエによく似た「アマビコ」や
肥前国と越後国に現れた「姫魚」、
頭の二つある「予言の鳥」
等が話題になっています。
この図は「姫魚」。
人魚?のような姿ですが、
アマビエとも近い種類に見えますし、
よくよく見ると、深海魚の、
たとえば「リュウグウノツカイ」っぽい?
越後国の「姫魚」は、
下半身が巻貝になっているそうですので、
同族別種の妖怪かもしれません。
(セイレーンとマーメイドみたいな?)
そんな「予言獣」(と呼ぶそうです)の、
中でも私が好きな妖怪は「件(くだん)」。
「件」=人+牛
の通り、牛の体と人間の顔を持ち、
生まれて数日で死んでしまうが、
数々の大きな事件の予言をし、
それは全て現実となるというもの。
(または大凶事を予言し、
その凶事が終わると死ぬ、
と言われています)
そして、その絵姿はやはり
厄除招福になるそうです。
↑天保7年の瓦版。
「件」は明治32年に
五島列島の農家で生まれて
日露戦争の予言をしたとか。
昭和に入ってからその姿は
牛面人身で和服を着た女とされ、
(「牛女」と呼んで区別する場合もあります)
第二次世界大戦末期の西日本、
芦屋・西宮辺りで目撃されたという
都市伝説的な話も残っています。
(空襲で焼かれた商家、
または牛肉屋の跡地にいた、
なんて具体的な目撃談もあります)
…っと
「件」は大好きなので、
牛頭馬頭とか
小松左京の短編小説
『くだんのはは』とか
乃木坂太郎の漫画
『幽麗塔』の一節とか…
まだまだ書きたいことがありますが、
長くなるのでまた別の機会にしますね
いずれも流行り病を予言し、
自分の姿を写して見せることで、
難から逃れられる、と言う妖怪たちです。
警告する妖怪たち、ですね。
さて、「妖怪」を英訳すると、
specter
ghost
等の単語が出てきますが、
ざっくりまとめちゃって言うならば、
monster(モンスター)
でしょうか。
このモンスターという単語、
「正体のわからない恐ろしいもの、
怪物、怪獣」
という意味ですが、
元を辿るとラテン語の
「monstrum(モンストラム)」で、
やはり「正体不明なもの、気配、怪物」
という意味の他に、
「前兆、不思議なことや驚くべきことの予兆」
という意味もあるそうです。
この「モンスター=前兆」は、
私の記憶が確かならば
(どこかで聞いたフレーズ)
江戸川乱歩が『幻影城』で
英米の幻想文学に関する項目で
論じられていたと思います(多分)
今『幻影城』が手元にないので、
すぐに確認できないため、
ちょっと不安になって検索していたら、
西洋古典学のサイトに
というラテン語に関する項目があり、
同じことが書かれておりました!
さらに、このサイトから
引用させていただきますと、
「monstrum」の語源を見てみましょう。
この言葉、「monere(モネーレ)」
という動詞を語源としています。
「monere」は
「思い出させる、気づかせる、警告する、忠告する」
という意味の言葉です。
「monstrum」は
「奇怪な出来事や生物の登場は神々の警告である」
と考えられていたことに由来しています。
奇怪なものを目にしたら、
それが何だか分からないとしても、
危険なもの、
何か異常なことが起こる前兆であると感じる。
そう感じることが
「神々の警告」
であると理解されるわけです。
奇怪なものを目にしたら、
それが何だか分からないとしても、
危険なもの、何か異常なことが起こる前兆
であると感じる。
洋の東西を問わず、
異形の者(物)は異常事態の警告である、
とする考え方が古くからあったのですね。
モンスターの出現は、
「マンデーン」
(国家や天変地異など、
大きな団体を占う占星術)
にどこか通じているな、
と思う私であります。
アマビエの絵や人形を飾って、
「疫病退散!」
と願うのは良いと思います。
(景気回復の願いも込められてますね)
ただ、それらが出現するということは、
本当は恐ろしいことである、
彼らは警告、予兆としての気配である、という
(ブームに水を差すようですみません)
妖怪好きの、ちょっとした「トリビア」でした