世界中で自国第一主義が止まらなくなっている。
 
「ブラジルのトランプ」と言われるボルソナロがブラジル大統領に選出された。
 
「フィリピンのトランプ」と言われたドゥテルテが大統領になったり、ヨーロッパでも「移民排斥」、「EU離脱」を掲げる政党が着実に躍進している。
 
第1次世界大戦終結100年周年記念式典でフランスのマクロン大統領は、世界に広がる自国第一主義について「第一次世界大戦前の状況に似ている」と懸念を示した。
 
   (この記事では、グローバリゼーションの周期と世界的な不況・世界恐慌の周期が同期しているという説を紹介している)

自分の国の利益を最優先にする「自国第一主義」は、ヨーロッパや南北アメリカなど世界中で連鎖し始めた。
 
 
 □ □ □ 世界中に出没してきた「〇〇のトランプ」 □ □ □ □

世界中に出没してきた「〇〇のトランプ」と呼ばれている存在は例えばこうだ。
 〇 「ブラジルのトランプ」ジャイル・ボルソナロ(社会自由党)
 〇 「フィリピンのトランプ」ドゥテルテ大統領
 ○ イタリア・サルビーニ副首相
 ○ オーストラリア・クルツ首相
 ○ ハンガリー・オルバン首相
 ○ フランス「国民戦線」元党首マリーヌ・ルペン
 ○ オランダ「自由党」ウィルダース党首
 ○ ドイツ「ドイツのための選択肢」(AfD)ペトリ党首
 ○ 「スウェーデン民主党」オーケソン党首
 〇 インドネシア野党党首プラボウォ大統領選候補(2019年4月大統領選)
 
 その他、国際協調主義が衰退し、自国第一主義が進んでいる代表的な例としては、
 〇 メルケル与党がドイツ州議会選で連敗
 〇 イギリスのEU離脱
などがある。
 
 □ □ □ 次々に国際機関から離脱・条約を破棄 □ □ □ □ □ □ □
 
 本家「アメリカのトランプ」は、自国第一主義に基いて国際機関や条約などから離脱や破棄する政策を立て続けに打ち出している。
〇 INF(中距離核戦力全廃条約)の破棄
〇 TPP(環太平洋連携協定)からの離脱
〇 地球温暖化防止のパリ協定からの離脱
〇 ユネスコ(UNESCO・国連教育科学文化機関)からの脱退
〇 国連人権理事会からの離脱
〇 イラン核合意からの離脱
〇 国連専門機関の万国郵便連合(UPU)からの離脱
 
 
 □ □ □ 自国第一主義の連鎖はいつから?  □ □ □
 
 これまで自国第一主義について、当ブログでは2016年2月から記述してきており、その世界的な傾向を「世界同時右傾化」呼んできた。
 
 例えば、
 □ □ □ 「オバマの「チェンジ」が現出させてしまった世界」  □ □ □
 
 この記事では、自国第一主義の連鎖の原因について、オバマ大統領の「チェンジ」を旗頭とした政策をもとに論じている。
 つまり、あらゆる差別反対(人種・宗教・男女差別)の政策をやり過ぎたことに対する反発(反動形成)が世界規模で起きてしまったということ。
 
 
 この記事では、自国第一主義の連鎖により国民の分断(右派と左派の対立、保守とリベラルの衝突)など呼ばれる現象が起き、それが世界的な流行語である「ポスト・トゥルース」などに現れていることを論じた。
 
 この記事では、トランプ大統領当選の約半年前、イギリスが国民投票でEU離脱を選択したことやトランプ現象が起き始めたのを見て、「まさか今、世界中で自国第一主義の連鎖(世界同時右傾化)が起きているのではないか?」と問題提起したものだ。
 
 
 □ □ □ 自国第一主義の連鎖は新たなフェーズに  □ □ □
 
 自国第一主義の連鎖は、今や「米中新冷戦」というもう一段階上の次元に上がり、新たなフェーズに入った。
 
 アメリカは米中新冷戦を中国の体制崩壊まで続けるとも言われている。
 
 アメリカが中国を徹底的に潰すつもりなら中国バブルは当然崩壊することになる。
 
 この「中国バブル」が崩壊したら、今回のバブル崩壊は人類の歴史上最大の「バブル崩壊」となるかもしれない。
 
 
 
 自国第一主義の連鎖は、世界をどこに連れて行くのだろう?