二つの頂~宋磁と清朝官窯~ | ☆出かけよう!気のむくままに…☆

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 2023年12月中旬、三菱商事の株主優待としていただいた静嘉堂@丸の内の招待券で「二つの頂」展に行ってきた。静嘉堂@丸の内の開館1周年記念の特別展で、技術の粋を極めた中国陶磁器の中から宋代の陶磁器と清朝の官窯磁器を集めた展覧会だ。

 ここでは撮影可能エリアの陶磁器(写メ)をいくつか載せていきたい。

 

 会場の静嘉堂@丸の内は東京駅の丸の内口側(皇居側)歩いて5、6分のところ、明治安田生命ビル明治生命館1階にある。

 

東京駅丸の内口

▲東京駅丸の内口前

 

 東京駅の丸の内正面口を出て真っ直ぐに皇居側に進み、途中で丸の内仲通りに入って左(南)に進む。道路を2本渡って真っ直ぐ歩いたところの右側に明治安田生命ビルはある。ビルはアトリウムで分けられた四つの建物からなっている様にも見え、中央の通路のクロスする小広場には大きなクリスマスツリーも飾られていた。

明治安田生命ビルアトリウムクリスマスツリー

▲アトリウムに飾られたツリー

 

 四つの建物の一つが明治生命館で、その1階が静嘉堂@丸の内だ。招待券で中に入る。平日だったが、年配の人たちを中心に大勢の人が来場していた。撮影できるのは後半の清朝の作品展示室にあるもの。

 撮禁の宋時代の作品部屋から順番に回っていったが、お気に入りの宋磁の前で立ち止まって動かない人もいて、人の流れは滞留しがち。知識も、そんな高尚な趣味もないこちらはその場を飛ばして先に進んだ。

 室内の照明は落とされていて、作品を弱い照明が照らす展示の仕方。心なしか、撮影可のエリア(清朝官窯の精華)の照明だけがやや明るいようにも見えた。こちらは景徳鎮の官窯が産地。

 

 では、撮影してきた作品の中からいくつか紹介する。まずは赤い顔料ときれいな絵柄の一対の鉢の五彩百子図鉢。1662~1722年の康煕年間の作品。多数の男子に恵まれることを願う吉祥図で、101人の唐子が描かれている。

五彩百子図鉢(一対左)

▲▼五彩百子図鉢(一対)

五彩百子図鉢(一対右)

 

 次も同じ康熙年間に作られた桃絵柄の皿、五彩万寿桃文盤。皇帝の還暦を祝う三千歳の桃を描いた作品で、中央に萬寿と記されている。桃は長寿の仙果で、作品自体は5色の絵具で描かれている。

五彩万寿桃文盤

▲五彩万寿桃文盤

 

 次は雍正年間(1723~35年)の粉彩菊蝶図盤。余白を多くとった蝶々と菊の絵柄で、直径はおよそ50センチの大皿。

粉彩菊蝶図盤

▲粉彩菊蝶図盤

 

 つづいて、乾隆年間(1736~95年)の作品。表面に空を飛ぶ龍、背面に翼を広げた鳳凰を描いた一対の瓶、青花臙脂紅龍鳳文瓶。その美しさゆえか、重要美術品になっている。

青花臙脂紅龍鳳文瓶

▲▼青花臙脂紅龍鳳文瓶

 

 粉彩百鹿図壺は持ち手(耳)のない貴重な絵壺。高さ45センチ。表面には財産を意味する「禄」と同じ音の「鹿」、寿を現す松、「福」に通じる蝙蝠(こうもり)が描かれており、全体で福禄寿になる。様々な様子の鹿がまるで絵巻物のようだ。

粉彩百鹿図壺

▲粉彩百鹿図壺

 

 粉彩梅花喜鵲図象耳瓶は左右の持ち手部分が象の頭部になっていて、本体(胴部)には紅白の梅と南天の木に30羽の鵲(かささぎ)が集まる月夜が描かれている。

粉彩梅花喜鵲図象耳瓶

▲粉彩梅花喜鵲図象耳瓶

 

 豆彩団花文缸は水瓶として用いられた大型の鉢。五種類の花を円形にまとめた団花文様が描かれている。

豆彩団花文缸

▲豆彩団花文缸

 

 全体で90(組)作品が展示され、清朝時代の作品が過半数を占める。撮禁だったが、宋時代の作品には国宝1点、重要文化財3点が含まれていた。

 自分が特に気に入った作品は、五彩百子図鉢、粉彩百鹿図壺、粉彩梅花喜鵲図象耳瓶の3つだ。写真はあまりシャープに撮れなかったが、少し明るく加工している。

 

 招待券を縁に普段なら行くことのない陶磁器作品展に足を運ぶことができた。また機会があれば、このような芸術作品にも目を向けていきたい。