11月の北陸旅の様子をブログに記しているこの正月に能登半島北部付近を震源にした大きな地震が発生!氷見とか、七尾とかは、今回の旅で訪れているところだけに他人事とは思えなかった。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた方たちの1日も早い安寧を心よりお祈り申し上げます。
北陸フリーきっぷでの鉄道旅のレポート、3回目は高岡駅から城端(じょうはな)線の終点・城端を目指す旅から。その前に、氷見線から城端線への乗り換え時間が29分あるので、その時間を使って高岡駅の外にいったん出てみる。
2階の改札口を出ると、駅の南北を繋ぐ南北自由通路・万葉ロードだ。橋上駅舎ができる以前は地下に南北を通り抜ける道があったが、万葉ロードの開通によって地下通路は廃止、埋め戻された。まずは北口・古城公園口に行ってみる。
▲高岡駅南北自由通路を北側から見る
北側にはJR西日本・あいの風とやま鉄道の高岡駅に併設して路面電車(郊外では鉄道専用区間あり)万葉線高岡駅停留場もある。以前は100メートルほど離れた場所に停留所があったが、2014年に高岡ステーションビル「Curun TAKAOKA」のオープンに合わせてビル1階に移設された。
モダンな駅舎から延びる2階のペデストリアンデッキを歩いていく。下には古城公園口の広いロータリーがある。雨は降っていないが、一部濡れた路面もあるので雨の降っていた時間もあるのが分かる。
▲高岡駅古城公園口(北口)…建物の上部に記された鉄道名から
あいの風とやま鉄道、JR西日本、万葉線の駅舎であるのが分かる
つづいて、万葉ロードを南に歩いて瑞龍寺口(南口)に出る。瑞龍寺口もきれいに整備されているが、ペデストリアンデッキはない。駅周辺にビルはそれほど多くなく、土地の使い方に地方らしいゆとりが見られる。駅ロータリーにはタクシー乗り場とバス乗り場が並び、長距離バスの発着場もある。
▲高岡駅瑞龍寺口から新高岡方向に延びる駅南大通り
▲高岡駅瑞龍寺口側の駅舎と駅前
構内に戻って①②番線ホームに行く。次の城端行は13:44発で、②番線に入線していた2両編成がそれだった。①番線に単行運転の車両が入ってきたが、それは回送車両だったかもしれない。往路の氷見線・能町で行き違ったのも単行運転だったし、氷見線も城端線も日中は2両編成と単行の両方があるようだ。
2分遅れで高岡発車。ワンマン運転だが、女性の乗務関係者らしき人が運転席の側に立って、時折車内を見まわしている。高岡発車時には2両で30人ぐらいの乗客がいたが、新高岡でその半分ぐらいが降り、それ以上の人が乗る。
庄川の沖積平野(砺波平野)を遡っていく。田畑が広がり、その中に防風林に守られた民家が点在し、道路沿いには集落や建物が並ぶ。東側遠くに劒・立山連峰の山並みも見える。
単線非電化の城端線、2面2線の戸出では10人ほどが降り、上下列車(気動車)が交換。沿線の主要駅・砺波でも10人以上が降り、車内はかなりガラガラになる。砺波の駅舎は比較的新しい。
城端線は高岡-城端間を単純に行き来するダイヤだが、利用者数はこの砺波以北と以南では差がありそうだ。
広い田畑が広がる砺波平野だが、このあたりでも意外と人家は多い。もっとも、主要駅を除けば建物は駅周辺よりも街道沿いの方が多い。高儀は1線だけの棒線駅だが、昔は2面2線だったようで線路の無いホームの跡が向い側に残っている。
▲砺波平野…高儀駅付近
福野は2面2線で数人降り、同じ2面2線の福光では10人近くの人が降りた。この駅の周辺は田んぼよりも人家の方が多い。ここで2回目の上下線の交換。上りは1両編成だった。
結局、終点の城端(14:41着)まで乗っていた乗客は2両で5、6人だった。砺波からはいかにもローカル線といった感じで、車内はかなり空席が目立った。
▲終点の城端駅から高岡方向を見る
城端駅は2面2線で、途中まで延びた側線が1本ある。駅舎側の①番線に着いたが、②番線発着時にはホーム外れの構内踏切で①番線から渡る形になっている。
▲高岡から城端に着いたキハ40系2両編成…国鉄時代に製造された年代物だ
▲城端駅の末端…②番線に渡る構内踏切がいかにもローカル線らしい
城端駅は駅業務を城端町観光協会に委託した簡易委託駅で駅員も在中するが、いずれは経費削減のために無人化するみたいだ。2019年に改築された駅舎内には観光案内所もある。
▲城端駅改札口…ホームの案内と平日21本運行の時刻表が目立つ
帰りの折り返し列車の発車まで43分あるが、11分と勘違いしてしまい近場観光ができなかった。街の中心部までは駅から10分ほど。43分あれば城端別院善徳寺にも往復できたと思う。
城端町(南砺市)は古刹・城端別院善徳寺の門前町として栄え、町屋や石畳の通りがある越中の小京都。小路や坂も多くて、歴史や文化を感じることもできそうだ。駅からは合掌造りの五箇山集落(国道304号で14、5キロ)までバス便もあるようだし、レンタサイクル(4時間1000円)もやっているそうなので、時間に余裕のある人ならば楽しめそうな駅だ。
▲城端駅駅舎
駅前を一回りして車内に戻ったが、そこで43分あったと気がつきがっかり。乗車優先の鉄道旅だとなかなか途中に時間を取れないだけに、こういう時間は貴重だった。せめて善徳寺や街中心部をぐるりと歩いてみたかった。
②番線に2両編成のキハ40系が到着2分後の15:24に城端出発。16:14に新高岡まで戻った。
帰りは高校生の帰宅時間に重なり、乗客数人の城端駅からどんどん乗客が増えていった。福野では高校生が何十人も乗車してきたと思ったら、砺波で20人ぐらいが降り、高校生中心に何十人も乗車してきた。次の油田で10人ぐらい降り、またそれ以上に乗車する。さらに、戸出では20人以上降りたと思うが、それを上回る何十人もの高校生が乗車してきて、いよいよ車内は混み合ってきた。下りと交換した後に出発して、新高岡では一般客を含めてかなりの人が降りた。
新高岡駅のコインロッカーから荷物を回収して新幹線ホームに移動。16:27発の『つるぎ723号』自由席でお隣の金沢(16:40着)まで乗車。富山-金沢間だけを運転している『つるぎ」だが、2024年3月の北陸新幹線敦賀が開業からは富山-敦賀間の運転になる。
この『つるぎ723号』を待つ人は新高岡では10人以上おり、別の日の富山-金沢間も見る限り、仕事や通勤で一定数の需要が新幹線のこの区間にもあるのが見てとれる。
金沢からは在来線(北陸本線)で福井に移動だ。金沢で途中下車する時間は、旅行初日には作らなかった。16:48発の名古屋行特急『しらさぎ14号』にも乗れたが、ホームで写真を撮りたかったので乗り換え時間15分の大阪行特急『サンダーバード38号』16:55発に乗車した。金沢には2日目の夜に戻ってくる予定だ。
▲金沢駅②番線『サンダーバード38号』…①番線には先発の
『しらさぎ14号』が停まり、こちらにはJR西日本の看板特急
『サンダーバード』と金沢駅ではお馴染みの光景。北陸新幹線
延伸の3月16日にはこの光景も見られなくなる
高架化された金沢駅ホームから津幡・高岡方面を見る。日没時間も過ぎ、暮れゆく中に信号機や駅のライトが目立ち始める。隣りの③番線ホームには帰りの小松行電車を待つ人の列も見られる。
▲金沢駅在来線の東側…この先は第三セクターのIRいしかわ鉄道となる
『サンダーバード38号』は定時に金沢を発車。自由席の乗車率は20~30%ぐらい。湖西線が強風のため米原経由になるとアナウンス。こちらは福井までなので影響を受けない。外はどんどん暗くなっていく。小松ではついに闇になり、車窓は全く見えなくなる。
途中駅から自由席に乗る人はほとんどいない。加賀温泉で数人いたぐらいだ。指定席に乗る人はそれよりも多い。やはり、途中駅からの乗客は確実に座れる指定席を選ぶ傾向がある。芦原温泉では車内からホームが濡れているのが見えた。
そして、福井17:42着。意外と降りる人はいた。ホテルは西口駅前なので西口に出たが、ロータリーの中央に置かれた巨大な恐竜像をはじめ、駅建物の壁などいたるところに恐竜のラッピング画があり、恐竜王国福井のアピールが凄い。
前回の北海道旅行ではホテルで苦労したので、今回は早めに東横インを確保。福井・金沢の3泊は全て東横インで予約した。ホテルでチェックインして部屋に荷物を置いてから、夕食を食べに外に出る。
蕎麦が食べたかったので、検索していた駅近の蕎麦屋を探すが、そこが検索した蕎麦屋だったかどうかよく分からないまま入店。一見、普通の蕎麦屋だったが、繁盛している感じで美味しくいただいた。
その後、駅前のビルにある観光案内所で東口にも恐竜のモニュメントがある事を知り、駅と一体になった福井市観光交流センターの3階部分(2階建ての屋上広場)に何体もの恐竜のモニュメントを見つけた。ただ、風が時折強く吹き、雨も降りだす天気だったので長居をせずにホテルに戻った。
以下つづく。