東洋文庫:東洋の医・健・美 | ☆出かけよう!気のむくままに…☆

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 日本最大級の本の博物館・東洋文庫ミュージアムの無料招待券(株主優待)を三菱商事よりいただいたので、身体を慣らす目的も込めて9月の初めに行ってみることにした。以前に三菱商事の株を持っていた時は、この招待券を使わなかったので、今回初めて東洋文庫に足を運ぶことになる。

 コロナが流行りだして以来都心に足を運ぶことを避けていたので、山手線に乗って駒込駅に行くなど実に久しぶりだった。以前に駒込に来たのは六義園が目当てだが、今回の東洋文庫は六義園よりも少し先にある。乗り換えや道を間違えることもなく、すんなり行くことができた。

 とは言え体調は最悪だった。家を出る前にお茶を一杯飲んで出たが、猛暑の午後に駅まで歩いたせいか電車に乗った頃には動悸に見舞われて気分が悪くなった。たぶん、軽い熱中症なのだろう。

 クーラーの効いた車内なので徐々に動悸は収まってきていたが、駒込駅の自販機で冷たいジュースを飲んでひと段落。ゆっくりとだが落ち着いてきた。やはり、熱中症には冷たい飲み物は有効なのだろう。

 

 駒込駅から東洋文庫までは歩いて10分ぐらい。道は分かりやすい。六義園の駒込駅側の出入り口が閉鎖されていたのには驚いた。正式の入口は本郷通りを東洋文庫側に歩いて右に折れたところにある。東洋文庫はもう少し先まで本郷通りを歩いて、信号を右に折れる。100mぐらいで東洋文庫だ。建物に入り受付で招待券を見せると小さなシールをもらい、服に貼って展示エリアに入る。

 

 入り口を入ってすぐの1階の展示室・オリエントホールには「世界のお風呂紀行」というテーマで、世界中の温泉、リゾート、鉱泉などの絵や調査報告書、レポート、書籍などが展示、大きなレプリカの江戸大絵図も壁に掛けられていた。なかなか興味深い展示だ。

 階段を上って2階に行くと、まず壁3面にぎっしりと書籍が納められた書棚が目につく。直接本に触れることはできないが、なかなか壮観な眺めだった。

書棚

 

 

 見学ルートに従って左に進む。名品室で方丈記、千載和歌集、東方見聞録、江戸切絵図などが展示されていた。

方丈記

 

東方見聞録

 

 薄暗い通路を回って今回の展示のテーマ「東洋の医・健・美」(2023,5,31~2023,9,18)の企画展示室に行くと、様々な歴史的にも価値のある教本、典範、図説、書簡、紙誌、レプリカ、まくら、美顔ローラーなどが展示されてた。特に、鍼灸治療の教科書や中国医学の古典、中国医学を西洋に紹介した書籍、解剖図、お化粧の本などは印象的だった。だいたい江戸時代のものだろうか。

体育導引図

▲体育導引図

 

▲解体新書

 

 その中の一つ、解剖学の「解体新書」は前野良沢・杉田玄白の翻訳書だが、もとのターヘル・アナトミア(展示)も蘭訳本で、原書はドイツ人医師ヨハン・アダム・クルスが書いたドイツ語医学書だ。「解体新書」は日本最初の西洋医学翻訳書(漢文)とされる。

 また、妻と娘に麻酔薬の治験者になってもらって全身麻酔薬を作り、世界で初めて全身麻酔の乳癌手術を成功させた花岡青洲の乳岩(癌)図説なども展示されていた。

 

 今回公開されたのは全体でおよそ110点。展示物一つ一つが普段目にすることなどない、歴史的に価値のある貴重な書籍や文献で、素晴らしいものばかりだった。

 なお、館内はストロボ禁止、撮影可だった。