横浜グラフィティ | ☆出かけよう!気のむくままに…☆

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 もうだいぶ前になりますが、原案・キャシー中島、脚本・勝野雅奈恵、出演・勝野洋、勝野洋輔という勝野さんのご家族が深く係わっている舞台『横浜グラフィティ』(7/26~31@俳優座、8/6~7@県民共済みらいホール)を観てきました。

 観にいったのは六本木の東京公演ではなく、横浜公演の大千秋楽。公演場所の横浜は勿論タイトルにあるとおりですが、六本木も実は内容に係わっていて、公演場所からして凝っています。初めてのみらいホールは横浜ベイエリアの桜木町駅すぐそばで、駅前ではキャラクターのイベントもやっていて、観光客やカップル、家族連れで溢れていました。

 誰もが知っている勝野洋さんをはじめ、宮原将護さん、齋藤悠(元・雪子)さん、片山萌美さんは自分がこれまで舞台を観たことのある役者さん。宮原さんとは大人の麦茶の舞台などで何度かお会いしていて、齋藤さんは雪子さん時代から1年10ヶ月振りに観る舞台になりました。


 横浜公演はチケット完売で受付の前には当日券なしの紙も貼り出されていましたが、観にこれなかった人の席でしょうか、空席はいくらかありましたね。自分は前よりのセンターという、たいへん観やすいポジションの席をいただきました。ありがたいことです。その開場前の受付でちょっとした個人的ハプニング(^^) こういうことは初体験です。



◆キャスト
ナンシー:草刈麻有…クレオパトラ党の高校生
マスター:勝野洋…シルバーカップのマスター
エイジ:辻本祐樹…元キラー党のメンバー

ミネオ:渡邉翔…ナポレオン党リーダー
クンボー:宮原将護…ナポレオン党メンバー
ロメロ:ささの友間…同じく
タケ:足立区の島崎…同じく
キザオ:安居剣一郎…同じく
キク:藤田勇紀…同じく

サミー:亀井理那…クレオパトラ党メンバー
ジュリー:片山萌美…同じく
リンダ:齋藤悠…同じく
ステラ:真里杏…同じく

ユウタ:芹澤幸紀…六本木キラー党リーダー
アッコ:黒田りあん…キラー党メンバー、エイジの姉
マロ:福島勇太…キラー党メンバー
ガン:神山大和…同じく
チュー:市川和氣…同じく
ユー:松並俊介…同じく
ヒロ:永井剛生…同じく(リンダの彼・ジョシュ役も)

みや子:水町レイコ…ナンシーの母、飲み屋のママ
るり:真由子…みや子の店の女
山さん:佐藤仁哉…マスターの親友?
英子:扇けい…シンガー、サミーの姉
ジャネット:若海千尋…シンガー
ロバート:勝野洋輔…在日米軍兵士
ターさん:加藤大祐

みき:世理…ダンサー
ロナ:依田知絵美…同じく(若い女性客・ヨーコ役も)
ヨシ:ちひろ…同じく(若い女性客・ユッコ役も)
ティナ:永岡亜美…同じく
マージ:生田輝…同じく
マリー:渡辺香織…同じく
ナスティ:池田美涼…同じく

リッキー:二階堂隼人…バンド・シルバーカップスのボーカル
ジロー:北川康弘…同じく、ベース
モタロー:前川維旺利…同じく、パーカッション
ハカセ:滝澤裕也…同じく、シンセサイザー
サッチ:寺田雅志…同じく、リードギター
ミッチ:西田ゆうひ…同じく、サイドギター
ケリー:清藤匠…同じく、ドラムス



◆あらすじ
 1968年、高度経済成長期。ベトナム戦争、安保闘争、etc.…混沌とした激動の時代の横浜・野毛。伝説のゴーゴー喫茶“シルバーカップ”には苦悩しながらも輝く若者たちが集まってきて、ダンスや音楽を楽しんでいた。

 その中で目立っていたのが、車と横浜を愛し、仲間との絆も強いナポレオン党の男たちと、のちにモデル、アーティストとして世にファッションを発信していくクレオパトラ党の女たちだった。

 戦後を逞しく生きた女性・みや子とアメリカ兵との間に生まれたナンシーは、ハーフということや母子家庭ということもあって、辛い思いもしてきたが、シルバーカップの魅力的な仲間たちとの時間が救いであり、輝く大切な場所だった。

 そんなナンシーを妹のように可愛がるナポレオン党のリーダー・ミネオや、親友のサミー、ジュリー、カップのマスターはナンシーの良き理解者だった。

 ある日、店の近くで絡まれていたエイジをミネオが助けてシルバーカップに連れてきた。そんなエイジに惹かれるナンシー。

 しかし、平和で自由な彼らの周りには次第に不穏な動きが忍び寄ってきた。メンバーを抜けたエイジを探しに横浜に顔をみせるようになった六本木のキラー党!彼らの暴力的な行動によって荒らされていく周辺。もはや対決は避けられなかった…。

 実話をもとにした、当時の若者たち青春ストーリー。



◆感想など
 勝野洋さんの奥さん、キャシー中島さんの若かりし頃の経験をもとに、娘の雅奈恵さんが取材を重ねて脚本を書いた作品。全てが真実という訳ではないが、かなりの部分が実際にあったことだそうです。シルバーカップはゴールデンカップという実在の店がモデル。

 勝野洋さんがオープニングや途中何ヶ所かでストーリーテラーもしていて、ストーリーは回想のような形で時系列沿ってに進んでいった。分かりやすい内容だったし、当時のファッション、音楽も楽しみながら芝居を観ることができた。

 曲名は分からないんですが、なんか聴いたことのある懐かしい曲がいくつも流れ、エディ藩さんのオリジナル曲(編曲?)も加わって、作品の世界にどんどん惹き込まれていった。やはり、音楽は偉大なり!

 ナンシー役の草刈さんは草刈正雄の娘さんで、モデルや映画、ドラマの経験はあるが、これが初舞台。かなり緊張したみたいですが、舞台という生の演技は印象に残りました。シルバーカップでのナンシーは生き生きしていて、逆に母親とのやり取りは暗く思い詰めていた感じ。エイジとの初対面は、明るくてむしろ積極的な印象(^^)でも、ナンシーの内面は単純じゃないだろうな。

 山本さんと片山さんがナンシーの親友のサミーとジュリー。3人の仲の良さとか、ナンシーのことを心配するところとか、楽しそうなダンスシーンとかを思いだす。で、同じクレオパトラ党のリンダが齋藤さん(写真)。軽い気持ちで付き合っていた男が日本を離れると知って、実は本当に愛していたことに気がつく女性。
横浜グラフィティ・齋藤悠

 大切な人がいなくなって嘆き悲しみ、酒に溺れたり、キラー党の男たちに持ち帰られたりと、人の弱さを表現していた。でも、やっぱりリンダはシルバーカップの仲間。出番の割に印象的な齋藤さんのリンダでした。

 エイジは仲間だったキラー党の暴走に嫌気がさして、横浜にやってきた若者だが、そこで不良たちに絡まれていたところをミネオに助けられたのが縁で、シルバーカップに連れてこられ、ナポレオン党やクレオパトラ党のみんなと出会う。そして、お互いを尊重し、信頼して、自由で闊達な空気に惹かれていく。

 ナポレオン党のリーダー・ミネオは喧嘩も強いが、器も大きい優しい漢!渡邉さんのミネオからそういう感じが伝わってきた。サブリーダーと言えるのが宮原さんのクンボー。仲間想いで信頼も厚い。曲がったことが嫌いで、強い意志の持ち主のように思えた。

 ナポレオン党の一人一人は個性的で、キャラもしっかりしていたと思うが、いちばん印象が薄かったキクがああいうことになろうとは…。隠し玉だったか。キクの男気ですな。こういうことをきっかけに、大人になっていくという感じ。

 キラー党は当時、六本木や原宿、新宿から本牧に来ていた尖がっていた若者を、この作品では六本木から来た一つのグループとして雅奈恵さんが書きあげたもの。ナポレオン党は当時としては不良だろうけど悪い人たちじゃないし、むしろカッコいいのに対して、キラー党は弱さ(幼さ)ゆえに過激で容赦しないところがあり、完全にヒール。

 60年代、70年代の曲を歌い、演奏したのが扇さんと若海さん、そしてこの舞台のために組まれたバンド・シルバーカップス。扇さんは元宝塚の扇めぐむさん。そのパワフルで心の通ったボーカルはさすがです。シルバーカップスはグループサウンズ時代の華やかな衣装。ダンスもあんな感じだったんだろうな。


 さて、自分が観た公演は大千秋楽ということもあってか、キャシーさんや実在のゴールデンカップの仲間の方々が何人も観にきていました。勝野洋さんに紹介されたり、カーテンコールでは音楽を担当したエディさんのミニライブもあり、豪華版となりました。エディさんの歌もよかった!

 客出しも楽しめたし、とても貴重な時間を過ごすことができました。有難うございました。なお、これだけ出演者の多い舞台ですし、1回しか観ていないので、キャストの説明、感想などに間違い、勘違いがあるかも知れません。もし、あったらゴメンなさいですm(_ _)m