先日ザ☆夕方カレーの第3回復活公演『サヨナラ雪』を観に中落合のシアター風姿花伝に行ってきました。1年前の公演が中止となり、パワーアップして復活したもの。シアター風姿花伝は80～120席ほどの小劇場で、行くのは初めて。駅からちょっと歩くので、事前チェックが欠かせませんが、目白駅からは一本道(18分ぐらい)だったので迷わず劇場に行きつくことができました。
実は1年前の『サヨナラ雪』は予約とっていませんでした。今回観にいく気になったのは前作の第4回公演『Just you and me』が爆笑に次ぐ爆笑の舞台だったので、今回も期待してでした。これで、第2回公演『トレジャーボックス』から3作連続の観劇になります。
放送作家の秋葉高彰さんが創めたザ☆夕方カレー。演者は全員客演。でも、ほとんどの方が出演固定しているので息はピッタリです。
観た感じとしては、ギャグあり、コミカルなサスペンスあり、ファンタジーありで、なかなか楽しいお芝居でした。主役の星雪男(どきどきキャンプ･岸学さん)の気持ちに共感した方は、きっと感動作品と言えるんじゃないでしょうか。まともなレポや感想は他の方におまかせするとして、こちらは思い出したままにテキトーに感想を書きたいと思います(笑)
岸さん、小原弥生役の滝川綾さんにモノマネふるシーンでは喋りが素ですね。まあ、滝川さんのモノマネ似ていないんですが、それが逆に面白かったりして。岸さん、お客さん甘いなぁとか言いつつも、一つだけ似ていたモノマネに今のは似ていたと真面目に評価。
その雪男、職場(出版社)の同僚・西村真希(芹澤りなさん)に告白したもののあえなく玉砕したり、いろいろな人に嫌な仕事を次々押し付けられて追い込まれていき、ついには舞台で頭を抱えるシーン、リアルでした。
そんな雪男を見守る弥生、トラ(古川桂次郎さん)、鬼太郎(三等分・みよさん)の3人は、雪男の心の中から登場した幻想の人物で、全体のストーリィをファンタジーで包んでいる感じです。しかし、ファンタジーと言っても、弥生はともかく、1年前にはなかったというキャラのトラと鬼太郎はギャグですね＾＾。
鬼太郎なんか、肩に目玉オヤジ乗っけてちゃんちゃんこ着て、あのヘアスタイル。とぼけた表情で出てきただけで会場爆笑。みよさんご本人もお気に入りのキャラみたいでした。
出版者の編集長に角井利夫(青柳泰志さん)、その下に谷本純一(ゲキバカ･渡辺毅さん)、遠藤めぐみ(三等分・ちーちゃん)、西村真希、真鍋潤(ぴんぴん電車・少年さん)、みなさんひと癖ある役。特にりなさんは表の顔と裏の顔を使い分けるような役だったので、役作りに苦労したようです。
りなさんが担当している連載作家が鬼兜毒丸(瞬間メタル･タケタリーノ山口さん)、アシスタントが濡夜叉(青木佑里香さん)。鬼兜はその名の通り怖そうなおっさんで、アシスタントの濡夜叉はいつも視線を合わせない無表情。でも、実は親子だったりと秋葉さんの演出。
谷本の妻・幸子(雪子さん)は疑い深い性格で、証拠もないのに夫の浮気を疑い続けていた。そんな中尋ねた探偵事務所の所長が坂巻建二(どきどきキャンプ･佐藤満春さん)で、所員は安田幸子(ナカゴー･高畑遊さん)。
2人のコミカルな浮気調査は、鬼兜の小説は谷本の会社の内情を書いたものではないかとの判断になり、パーティーで新しい編集長になった谷本は殺されるのではないかとの推理に…。
パーティー会場は、打ち合わせによく使うパンダちゃん(瞬間メタル･前田ばっこーさん)のゲイバー。坂巻たちの見張る中、谷本に恨みを抱く人たちが参加したパーティーは始まる！このシーン、音響効果もバッチリで面白いですね。
西村の影での動きによって最後の連載を前に連載を打ち切られた鬼兜と、新連載を約束された濡夜叉。編集部の内情を鬼兜にリーク(？)してきた西村としては、ラストを連載されては困るということ？本当に殺人事件が起こって、犯人まで種明しされるということ？
鬼兜の小説が編集部の実情とリンクしたものだったのに対して、濡夜叉の小説タイトルが｢サヨナラ雪｣！この舞台のタイトルを使うとは、この親子の小説で舞台『サヨナラ雪』の出来上がり的な、秋葉さんの凝ったところですね。
ところで、サヨナラ雪とは、3月の終わり頃、誰かの別れを惜しむように降る雪を言い、サヨナラ雪が降ると本当の分かれになってしまう…みたいな。ラストシーン、弥生が雪男の前から去るとき、雪男の｢雪降るな！｣が印象的です。
次回の第5回公演『怒感』は10月19～21日(ウッディーシアター中目黒)だそうです。みなさんの今後のご活躍をお祈りしたいと思います。