おはようございます。優勝が見られるかもしれないと勇んで駆け付けた大分の地で天国から地獄に落とされたような気分です。別府市の立て看板に「極楽地獄」と書かれていましたが・・・。いずれにしても自力で勝って優勝ができなかった。残念です。
11/21(土)14:00 J1 第28節 大分 1 - 0 川崎 昭和電工ドーム大分
得点:36’野村(大分)
大分トリニータ 3-4-2-1
――――――18伊佐―――――――
――――10野村―― 8町田――――
―11田中達―――――――15小出―
―――― 4島川――40長谷川―――
―― 3三竿― 5鈴木――29岩田――
―――――― 1高木―――――――
63分 15小出OUT → 23高山IN
63分 18伊佐OUT → 31高澤IN
74分 8町田OUT → 14小塚IN
74分 40長谷川OUT → 6小林IN
83分 4島川OUT → 41刀根IN
川崎フロンターレ 4-3-3
―16長谷川――11小林―――19齋藤―
――――14中村―――10大島――――
――――――― 6守田―――――――
― 2登里― 7車屋― 5谷口―13山根―
――――――― 1成龍―――――――
46分 16長谷川OUT → 18三笘IN
46分 14中村OUT → 25田中IN
60分 11小林OUT → 30旗手IN
76分 19齋藤OUT → 8脇坂IN
79分 13山根OUT → 9L・ダミアンĪN
現地、昭和電工ドーム大分まで行ってきました。行くときは、意気揚々と足取りも軽く、どこか浮かれた気持ちでいました。すんなり勝てるとは思ってはいませんでしたが、最近ではさすがに負けることはないだろうとどこか高を括っていたところがあったように思います。
それは選手らにあったとは思いません。むしろ、自力優勝できるところまで自分たちで持ってきたので、今日、決めてやろうという意気込みすらあったと思います。ですが、結果は残念なことになってしまいました。今季、3敗目です。
今更ですが、最近は、DAZNでの観戦に慣れてしまい、ゴール裏から試合を見るのでは、やはり見え方が異なります。特に向こう側のゴール周辺では、なかなか何が起こったかわからないこともありました。やはり俯瞰した画面で見る方が、両者の戦術がどう展開されていたかは把握しやすいですね。当たり前のことを言っていますね。
そんな俯瞰目線をピッチ上でも持っていて、これまで決定的なスルーパスを繰り出してきた川崎のバンディエラこと中村憲剛の試合が生で見られるのは、僕自身は最後になるかもしれない、そんな思いを抱きながら観戦していました。その憲剛が、この試合のあとシャーレを掲げるシーンを夢見て観戦していましたが、この日は、夢のまま終わってしまいました。
この試合に至るまでの日程の話をすれば、川崎は、横浜FMのリーグ前倒し戦があったため、中2日、かたや大分は、先週の柏戦が新型コロナの影響で流れてしまい、中17日となってしまいました。もともとコロナ禍でこういった有利不利が出てくる、だからこそ降格なしで行われているわけで、誰のせいでもないです。
ですが、この日程の差が、この試合に影響しなかったかと言えば、それはしたと言わざるを得ないと思います。この空いた日程を利用し、大分の知将、片野坂監督は、川崎のサッカーをしっかり分析し、対策を立ててきたのだと思います。また、後述するようにメンタルにも影響を与えていたと思います。
その対策は、主にハイプレスで、今月初めの札幌戦での敗戦に似ていたように思います。ハイプレスからパスの出しどころを潰して、ボールを奪う、パスミスを誘う、そんな展開で、前半は、ほぼ大分ペースで試合が進みます。それでも、最後の最後のところで、ソンリョンがビッグセーブを見せ、なんとか失点せずに凌いでいました。
しかし、前半の34分に、この試合の転機が来てしまいました。彰悟の一発レッドカードで退場。エリア内の決定機であったことからPKも与えてしまいます。さすがのソンリョンもこのPKではついに失点を許してしまいます。
そもそも、なんでこの試合の前半、こんな簡単に大分ペースになってしまったのか。一番シンプルは理由は、中2日で体が重かった。それに、片野坂監督の分析に基づいた戦い方もあると思います。ただ、一番の要因はメンタルだと思いました。
そのメンタルの内容ですが、川崎は、この試合で勝って終わりたい、大分と違いミッドウィークに試合をしており体が重い。ならば、途中でバテないように力を調整しながら試合に臨まないと終盤にやられてしまう、前半から飛ばすのは得策ではない、と選手が言っていたとかではなく、彼らの心のどこかにそういった思いがあって、セーブして試合運びをしていたのではないか。選手らに聞いても、そんなことはないと言うでしょう。
かたや大分の選手は、日程面で差がある。体力は十分。信頼している片野坂監督は、首位川崎に勝てるかもしれない戦い方を授けてくれる。世間一般的には、この試合で川崎が勝って最速優勝が決まるかもしれないと注目されている。でも自分たちの目の前で優勝なぞ見たくない。大分にとって失うものは何もないのだから、首位川崎に一泡吹かせてやろう、やってやろうじゃないか、という心境だったと思います。
そんなメンタル面の差が前半の戦い方に現れていたように思います。大分はガンガンとプレスに行く、そして、川崎は受けてしまった。前半、それでもピンチを迎えた場面の最終的なところでは、ソンリョンのビッグセーブもあり、なんとか凌いでいました。
しかし、防戦一方の中で転換期が訪れてしまいました。彰悟の一発レッドカードでの退場です。普段、沈着冷静な彰悟がエリア内で手を使って倒してしまった。発端は、入れらたボールの落下点の目測を誤り、大分の野村に入れ替わられてしまったこと、これに焦って、思わず手が出たのではないかと思います。
ジャッジについて、あれこれ意見も出ていましたが、レッドで仕方ないと思います。抜けていれば、ソンリョンと1対1の決定機でしたし、エリア内で手を使っていますから。
彰悟も冷静に考えれば、手を出さず、追ってプレッシャーをかけ、ソンリョンに任せた方が野村もシュートを外してくれたかもしれません。そして最悪、先制されるかもしれませんが、退場はないので11人で逆転に向けて戦えます。しかし、その冷静な判断すらできず、思わず手が出てしまった。疲れていたのかもしれません。
ただ、ここでPKを与えていなかったとしても遅かれ早かれ、先制されてしまうような流れではありました。それまで失点せずにやり過ごせていたのも奇跡的でしたから。まさか、PK獲得に彰悟の退場まで見越していたわけではないでしょうが、片野坂監督にしてみれば、してやったりの展開だったと思います。
ただ、この10人になったというところで川崎側にも火がついたように感じました。その後の試合の展開の中では、10人となった川崎の方がむしろ押し込む戦いをしていたように思います。もう、後がなく、力を温存しながらといった余裕も必要もなくなったからだと思いました。初めからこの圧力を出せていれば、というのは言うのは易しで、やっぱり、そうならないのがサッカーです。
ひょっとして11人のまま試合を続けていたら、受けに回っていた姿勢を反転できず、札幌戦同様、なすすべなく完敗していたかもしれません。むしろ10人になったがために、後半、圧力をかけた攻撃が見られたのかもしれません。
それでも、それ以上に先制点を取って、川崎に一泡吹かせてやろうという思いの大分の守備の集中力が勝ってしまいました。そこには単純に日程差からくる体力差もあったかもしれません。こうして、またしても川崎は、この大分の地で自力で勝てば優勝の試合を落としてしまいました。
これまでの毎年タイトルも取って、今季も、ここまで圧倒してきてかつてのシルバーコレクターと呼ばれた時代からすれば、ずいぶんとチームも成長してきたと思います。それは事実なのですが、よくよく考えてみると、自力で勝てば優勝という試合に、実はまだしっかり勝てていないのではないかと思いました。
古くは、09年の大分戦、勝てば優勝ではないですが、降格が決まった大分に敗れ、自力優勝の権利を失いました。これにより、最終節勝つのですが、すでに自力優勝を手放しているので、鹿島に優勝を持っていかれます。過去のナビスコ杯の4度の準優勝もそう、16年の前期優勝、チャンピオンシップに天皇杯、大事なところで勝てていません。
17年の優勝は勝ったけれども、裏で磐田が鹿島に引き分けてくれる他力がありました。18年は、セレッソ大阪に負けてからの優勝です。19年は、ルヴァン杯を制したではないかと思われるでしょうが、最後の決着はPKですので、通常の試合の中では勝ちきれていません。
また、勝ったとされる17年の最終節とルヴァン杯の決勝、共通項がありました。先制点を取ったのが、優勝請負人こと阿部ちゃんでした。まだ芯のところで、大事なものがあべちゃんからは承継されていなかったのかもしれません。もし、この試合に阿部ちゃんいたらまた結果が変わっていたのじゃないかと思ってしまいます。
そんなことをつらつらと考えながら、大分からの帰路につきました。僕の場合は福岡なので2時間強ですが、川崎から駆け付けた多くのフロサポは、それはそれは足取りの重かったことだと思います。
優勝は、本拠地等々力で決めたいという思いが多くのフロサポにあると思います。相手はG大阪なので、勝てば決まりです。勝って自力で決める格好の舞台です。この試合の敗戦は、そのための「神の差配」だと信じたいです。憲剛の言う、等々力にいるサッカーの神がそうさせたのだと。
もちろん、22日の浦和対G大阪の試合で決まっているかもしれません。そうすると、自力で勝って優勝という状況ではなくなるため、緊張感は、全くなくなってしまいます。
22日の結果も、他力なので「神のみぞ知る」世界ですから何ともいえませんが、もし22日に決まらず、25日に決戦が持ち越されれば、自力で優勝できる最後のチャンスかもしれません。その時は、しっかり勝ちましょう。さもなければ、残った天皇杯もまた苦しむことになります。
はあ、それにしても、優勝見たかった。_| ̄|○
ということで現地に行ってきた際の写真もあげておきます。憲剛さん多めで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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