(前回までのあらすじ)
田舎暮らし(半農半X暮らし)の実践を通じ、“稼がずにお金から自由になる方法”を世に発し、多くの人たちに影響を与え続けている髙坂勝さん。そんな憧れの髙坂さんと、極上の自給料理&極上のお酒をいただきながら、みちおは語り明かすのであった。
 
―――
 
 
 
髙 「いい感じに酔ってきたねぇ(ひっく)」
 
み 「ええ。最高です。てか僕、そもそも髙坂さんとこんなにがっつりお話ができると思ってなかったんで、それだけで至福ですけど、その上にこの極上のご飯とお酒。たまんないっす」
 
髙 「いやー、私は普段こんなにしゃべんないんですよ。ひぐちさんが聞き上手だから、ついついしゃべっちゃったなぁ(ひっく)」
 
み 「いやいや、とんでもないです。まだまだ聞かせてほしいです。
髙坂さんは30歳で早期リタイアされてから、かれこれ20年くらいですかね、社会活動家としてずっと活動をされていると思うんですけど、そのモチベーションってどこからきてるんですか?」
 
髙 「モチベーションは“怒り”です」
 
み 「い、怒り??」
 
想定外の答えにたじろぐみちお。髙坂さんの口からまさか“怒り”というワードが出てくるとは。しかもまったく淀みなく、ハッキリと。これは相当な確信があるに違いない…。
 
髙 「ええ、怒りです。今の政治に対する怒り。こんな世の中にしやがってという怒り。ただ、その怒りをそのまま怒りとして出すんじゃなくて、“楽しさ”に変換して出したいとは思ってますけどね。
私は小さい頃にね、祖母からよく戦時中の話を聞かされてたんですよ。別に祖母は深刻にそういう話をするんじゃなくて、淡々と、ちょっと茶化したりもしながら話をしてたんですけどね。そういう話をずっと聞いてたもんだから、私の根っこに“戦争反対”というのはずっとある。そういうところからたぶん、今の世の中に違和感を感じ始め、怒りを覚えてるんでしょうね。で、それがモチベーションになっている」
 
み 「なるほど…。今の話を聞いて、僕は数年前に沖縄の辺野古に行ったときのことを思い出しました。辺野古の米軍基地建設が強制的に進められていく中で、その土地の前で毎日毎日ずっと座り込みを続けている人たちがいるじゃないですか。基地建設を止めるために。あの人たちの姿を見て、僕の知人が“なんて時間の無駄遣いをさせるんだ”ってつぶやいたんですね。その意味は、“座り込みをしている人たちも、本来もっとしたいことがあるだろうに、基地建設を強行することによって、こんなことに時間を使わされてしまっている。こんなことをさせる政府や米軍はけしからん”ということなんですけど。僕はこの知人の意見を聞いて結構ハッとさせられたんですね。たしかに時間もったいないよなと思って。本来もっとやりたいことがあるはずなのに、それができないでいる。もっと違う表現方法があるんじゃないかとか思って…」
 
髙 「いや、知人の方がおっしゃている通りだと思います。悪いのは政府側であって、座り込みをしている人たちではない。ほんとにけしからん。私は座り込みをしている人たちを心から尊敬しています。彼らがいることで建設が思うように進んでいないのは事実だし。ただ、私は彼らと同じようにはできないというだけ。私ができないことをやってくれている人たちを私は心からリスペクトしているし、その代わり自分のできることは自分なりのやり方で精いっぱいやっていきたいと思っています。だからひぐちさんも、僕のやり方をそのまま真似するんじゃなくて、自分なりのやり方を模索していってください。もちろんエキスは吸収していってもらっていいんですけど」
 
 
 
ふむ…。考えさせられるなぁ…。
僕は「人間の本来あるべき姿像」―自然と共生し、自由に人生を謳歌している姿―を強く持ちすぎていて、そこから乖離しているものに対して否定しがちであるということに気付かされた。例えば座り込み運動に対しては、“もっと楽しいことしようよ!”と思ってしまう。また、都会暮らしに対しても、自分も都会に住んでおきながら、“なんやこのコンクリートジャングルは”と思ってしまう。否定することが別にダメなことだとは思わないけど、否定するとどう考えても相手は気持ちよくないし、自分も気持ちよくないよね。と、僕は思う。なので、髙坂さんのように、自分と違う考えを持っている人たちをちゃんと“リスペクト”できるようになりたいなと思った。そもそも自分の考えが正しいわけじゃないし、自分もやりたくてやってるだけだし、かなり傲慢だったなおれ。
 
 
 
み 「めちゃくちゃ考えさせられます…。なんか僕は他者に対するリスペクトが足りなかったなぁと思って、反省させられました。
ところで髙坂さんは、これからの活動の展開とか、将来的なビジョンはお持ちなんですか?」
 
髙 「とにかく私は自分の活動を大きくしすぎないことを常に意識しているから、大きくなったら縮小し、大きくなったら縮小し…、基本的にはその繰り返しかな。以前に東京でやってた“たまにはTSUKIでも眺めましょ(通称 たまつき)”でも、流行ったら営業日を減らしてどんどん縮小していった。それでも安倍昭恵さんとかね、民主党の菅直人元首相とかよく来てくれてね。私に日本の将来のアドバイスを求めに来たりするわけですよ。日本のトップの人たちが来てくれたから、もうここでの役目は終わりだなと思って、それで店を閉じて千葉県匝瑳市(そうさし)に移住したんです。まあでも私がやってることはずっと一緒。これから日本が人口減少していくことは間違いないわけです。どう足掻いたって増やしいていくのは無理で、2060年には生産年齢人口が2010年の半分くらいになるという推計もある。そんな中で“経済成長!経済成長!”っていつまでバカげたこと言ってんだって話で、私たちは違う道を歩んでいく必要がある…」
 
み 「“脱成長”ですか?」
 
髙 「いや、“脱成長”どころか、“縮小社会”にしていかないといけない。経済成長を求めず、自給者を増やし、お金に頼らなくても生きていける社会にしていかないといけない。私は楽しみながら、そのためにできることをやり続けていくだけです。“こうやったら幸せな日本社会になる”というビジョンはだいたい描けているから、今度はそれを本に書きたいなぁと思ってるんです」
 
み 「即買いします」
 
髙 「ありがとうございます(笑)
じゃあ、そろそろ寝ましょうか」
 
み 「はい。至福の時間をありがとうございました」
 
 
 
長時間の移動の疲れもあり、ベッドにダイブした瞬間に爆睡するみちお。
 
 
明朝。
二日酔いで頭がガンガンするも、素材を存分に生かした髙坂さんのお手製朝食に涙がちょちょぎれる。
 
 
 
うまい…。
うますぎるよ髙坂さん!
 
お金がほとんどかからず、しかもうまい。自給生活、最高ですやん。
 
 
 
別れ際、髙坂さんがサプライズで歌を唄ってくれた。
 
 
『小さなトマト』  作詞・作曲 内田ボブ
 

小さなトマトで 小さな玉ネギ 

小さな野菜で 小さな畑で
それで十分なのに それで十分なのに
それなのになぜ それなのになぜ
人は貧しいの 人は貧しいの

がんばって働けば山が死んで行く
がんばって働けば川が死んで行く
がんばって働いても失うばかりなのに
それなのになぜ それなのになぜ
人はがんばるの 人はがんばるの

丸あるい地球に風が吹きぬける
太陽はあつく小鳥たちは歌う
それで十分なのに それで十分なのに
それなのになぜ それなのになぜ
人は悲しいの 人は悲しいの

一人の乞食が村を通りすぎ
何もいわなくても太陽は道にあふれ
何もしなくてもいのちにあふれてる
それなのになぜ それなのになぜ
人はあらそうの 人はあらそうの

太陽にように生きる 

いのちのように踊る
とぶ鳥たちのように 

自由にはばたけよ
自由に歌えよ

 
 

ヤバいよ。ヤバすぎるよ…。

共鳴しすぎて涙がじんわり。

 

雰囲気を味わいたい方はこちら↓

 

 

 

 

もう1曲唄ってくださった。

タイトルは忘れてしまったけど、ガンジーの言葉を入れ込んだ曲。

ガンジーは「非暴力、不服従」で有名だけど、それよりも「自給生活」を訴えていたらしい。ガンジーのこと深堀りしたら、おもしろそうだ。

 

 

そんなこんなで旅立ちの時。

ほんとに楽しい旅だった。思い切って千葉まで来てよかった。こんなにも刺激を受け、励まされ、感動するとは…。髙坂さんには感謝してもし切れない。この経験を糧に、僕も我が道を進んでいこう。未来は明るい。

 

さようなら~

 

 

【お知らせ】

髙坂さんが、たぶん次の1月頃にみっちゃんガーデンに来てくれるかもしれません!

1月頃に神戸のイベントに呼ばれているらしく、その足でみっちゃんガーデンまで来てくれるとか!みっちゃんガーデンで髙坂さんのトークイベントだ、わーい\(^o^)/お楽しみに~音符

 

 

自然と遊ぶ。

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