世の中には目を背けたい現実が山ほどあります。

そして、気が付かずにそのおぞましい現実に加担していることも、山の如しです。


社会生活を真っ当に乗り切ろうとすれば、全ての命に気を配って生きていくのは無理なことなのかもしれません。


ボランティアと名乗ってもいないのに、ろくなボランティアがいない、とボランティアから罵られ、ボランティアなんだから金をとらずに解決しろ、とボランティアではないひとから責められて、一体わたしはなにをやっているのか?


わたし自身、このような無意識による悪意に身体も心も傷つけられ、先が見えない状態です。



ダイヤランド猫の会で保護した猫を、1年間保護しておきながら里親が見つからないからとその後リリースした、という事実無根の情報を、流されています。

わたしが鬼畜の所業を行なっている、とのことでした。そして、尻拭いもしてくださっているとのこと。そんな親切、本当だったら有難い。

困った時に猫を預かってくださった方たちがウワサを流しているのでしょうか?いやいや、リリースしてたら預けなくて済むでしょうが。

事実確認もせず、無責任にひとの名誉を傷つける情報を流す目的など、知るよしもありません。

しかしこの悪意あふれる噂が、どなたかの承認欲求を満たしているのなら、それはそれで良しとしましょう。

こちらは、爪に火をともすように、自分の命を削り、細々と活動していくのみです。


また、町内の保護施設に猫を預けた方が、三日後施設を訪れると預けた時のまま、猫を病院にも連れて行かずに放置されているのを見た、という情報も流されていました。

もしもこれが事実なのであれば、預けた方は速やかに猫を引き取るべきではないでしょうか。心ある保護主なら、どんな事情があるにせよ、そんな状態で猫を預けっぱなしにはしないでしょう。

引き取りすることもなく、酷い話として拡散し、施設の信用を貶めようとする目的は、一体何なのでしょうか?

もちろん、施設で病院に連れて行かずに放置しているという事実はありません。

動物病院のカルテを調べていただければ、すぐにわかることです。



なぜ、このような、他人をおとしめる情報が行き交うのでしょう。

そもそも動物を助けようとしている人間同士で脚を引っ張り合うのって、人間がいかに下等な動物であるか証明しているようなものですね。


できればこんなクソみたいな場所から、早く逃げ出したい。







首や体にぐるぐる巻かれたプラスチックチェーンを引きずりながら逃げていた黒白猫を保護して、約4年。

あれから色々ありました。


現在、チェーンくくられ猫のサモハンくんは、ベランダをひとりじめにして暮らしています。

今年の夏があまりに暑かったので、4年間掃除が出来なかったケージを撤去し、ベランダ全体を彼の住まいにすることとしました。




まだ触らせてはもらえませんが、辺りに響き渡る大きい夜泣きも随分と治り、私がベランダに出ても、すぐには逃げずに様子を伺うゆとりが出てきたようです。

少しずつではありますが、表情も緩んできたような気がしています。


ケージから出し動き回る姿を見てわかったのは、手術で短くなった尻尾を、サモハンは動かすことができないことでした。

保護当時、一部骨が剥き出しだったしっぽの先を切り落とす手術をしていますが、思い返せば、ケージの中でもしっぽを動かしているところを見たことがありません。

いくらお世話をしても全然心を開いてくれない、と感じてしまっていたのは、サモハンが尻尾を全く動かさなかったためなのだと気が付きました。

猫たちの尻尾の動きで感情を推測していたので、尻尾が動かせないサモハンを、無感情な猫と決めつけてしまったのです。ごめんなさい。




今サモハンは、尻尾こそ立てることはありませんが、食事を楽しみ、飛んでくる虫を捕まえ、時には迷い込んだヒヨドリの子どもを野生動物さながらに食し、安全な場所から下の草むらで騒ぐコジュケイやタヌキを眺め、それなりに日々を謳歌してくれているように見受けられます。

サモハンの気持ちの本当のところはわかりませんが、少しは幸せと感じてくれていたら、嬉しいです。


6月下旬、沼津の住宅地に17匹の猫が犬用ケージに詰め込まれ遺棄されたという事件を、里親さんから伺っていました。

ニュースによれば、生き残っていた子猫は、三島市、伊豆の国市、熱海市の保護団体が預かりを引き受けてくださったとのことでした。

最近になって犯人が特定されたらしく、その内容に驚愕しています。



ブリーダー崩壊ではなく、お年寄りでもない、一般の市民が犯人でした。

しかも、野良猫のTNRの助成金制度がちゃんと機能していて、しっかりとしたボランティアさんも沢山いらっしゃる地域での事件でしたので、無力感が半端ありません。


17匹も猫がいれば臭いや鳴き声も聞こえたでしょうに。近隣の方から何かしらの助言は出来なかったのでしょうか…


8年前に子供が拾ってきた野良猫が事の発端とありました。

もしもTNRや地域猫について、学校教育の授業に盛り込まれていたとしたら、親御さんにTNRの知識がなかったとしても、子供が猫の繁殖力の強さや手術の助成金制度、または地域猫活動の重要性を理解して、無責任に猫を拾ってくる事はなかったのではないか、と思いました。