アブれた役者の独り言 | みぶ真也 の 職業:怪談俳優

みぶ真也 の 職業:怪談俳優

浪速のユル・ブリンナー

おはようございます、大阪の俳優みぶ真也です。

役者の演技の質というと、どうしても 舞台>本編(映画)>ドラマということになってしまいます。
役作りにかけることが出来る時間の差でもあります。
加藤健一さんが、舞台の仕事が少ない時代には小遣い稼ぎにTVドラマに出演していたが、舞台のオファーが充実して来て忙しくなりTVの露出が減ると「最近、仕事ないんですか?」と心配されたとこぼしておられました。
押しも押されぬスター役者にしてからこんな有様です。
ぼくに至っては、大阪弁護士会CMのオンエアが終了してから仕事にアブれてると思っている人さえいました。
映画ではそれ以降も井筒監督や阿見監督が興味深い役に名指しで起用してくださいましたが、それとて本編を観ていない人にとっては「へえ、そんなんに出たの」という程度の感想なのが残念です。
まともな役者なら誰しも、舞台で芝居をしたい、映画で演技をしたいと思っているものですが、一般の方にとっては毎週テレビで見かける顔が「売れてる役者さん」となるのでしょう。
本編と同じように労力をかけて作るTV時代劇がなくなってしまったのも、そうした一般の感想に迎合する現象でしょう。
ドラマは録画して観るから経費がかかる割に視聴率を稼げない、という理由からでしょうか、特に3・11以降、旅館や飲食店とタイアップしたバラエティ番組が量産されるようになりました。
しかし、「半沢直樹」や「あまちゃん」の成功で、タレントのギャラではなく脚本にしっかり力を入れればドラマでもオンタイムの視聴率を上げられることが証明されたと言えるでしょう。
今の視聴者はバラエティ番組が作り物であることを承知しています。
同じ作り物なら、しっかり作りこまれたドラマの方が面白いわけです。
これからは、バラエティに取られた数字をドラマが倍返しする時代です。

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