壬生ギ士伝 ギター独学術 -1094ページ目

ギター基礎鍛錬 其之弐 〜クロマティックスケールの“返し縫い”〜

第二回です。
前述の本当のクロマティックスケールを応用した運指とピッキングの練習フレーズを紹介します。
ビギナーの方には両手の基本的なエクササイズとして、ある程度熟練した方にもウォーミングアップとして使えるかと思います。

まず返し縫いについてですが
次の譜は教本や誌上講座などに頻出するオーソドックスなスケールトレーニングパターンの一例です。

Cメジャースケールの返し縫い

黒い方の音符だけをなぞっていくと、Cメジャースケールが順次進行(音階上の隣の音への進行)になっているのが分かると思います。
また赤い方の音符も同様に順次進行になっています。

このパターンを理屈っぽく説明すると
『順次進行する音階の一つ一つの音に対して、上行時は2度上からの、下行時は2度下からのアプローチノート(≒装飾音)を加えたパターン』
↑意味がワカラン┐( ̄ー ̄)┌という方は無視して下さって構いません(笑)

何はともあれ
この音符の並び方に家庭科で教わった返し縫いを思い出し、そう呼んでいます。

さて
できるだけ4本全ての指をまんべんなく鍛える方法がないものかと思い、上記の理屈をクロマティックスケールに当てはめてみました。


クロマティックスケールの返し縫い

になぞっていくと、前回使用したクロマティックスケールのポジションそのままであることがよりよく分かるかと思います。

最初はオルタネイトによるフルピッキングで弾き、慣れてきたらレガートでも練習します。

繰り返しになりますが、できるだけ4本全ての指をまんべんなく鍛えることを目的としていますので、指使いを変えてしまうと意味がありません。表記の通りに弾いて下さい。

このような練習はむやみにテンポを上げてしまうと荒い演奏が身に付いてしまいますので、極力メトロノームを使い、安定したテンポとダイナミクスで弾けるよう心がけましょう。


メトロノームの話が出たところで
次回はメトロノームの使い方について考えます。