不登校である中3息子。

そしてその卒アル担当カメラマンである私。

いよいよ全体集合撮影の日となりました。

 

その前に不登校児に対する集合写真の私感を少し。

 

以前、記事にしたことがありますが私は基本的に本人が入りたくないのに無理やり合成で集合に参加させる、というのが好きではありません。

 

 

 

集合撮影当日、病気やケガやなんらかの事情で撮影に参加できなかった。

もしくは不登校で行けてないけど、せめて集合だけでも参加したい!

ぜひ入れてくれぃ!と生徒さん御本人が切望されているなら、よろこんで協力します。

 

しかし学校側だけの都合で「人数合わせ」「みんな一緒」に合わせるのは違うと思っています。

 

まさか我が子が不登校になるとは思ってもいなかった私。

保護者が「他の写真に写ってないからせめて集合だけでも」という気持ちは痛いほどわかります。

でもその生徒さん本人はどうなのでしょうか。

 

今までも不登校の生徒さんを合成入れ込み用に撮影したことは何度もありますが「いや撮りたくないし」という方も多数。

 

葛藤もあると思います。

現在、不登校の息子も不安障害はありますが、元来人好きなタイプ。

「行きたいけど行けない」「入りたいけど入れない」「つらいならやめとこう」という心の声が聞こえます。

 

うん。

写りたくないんだったら写らなくていいんじゃないかな。

 

私は決めてました。

「絶対、息子を合成でいれない」と。

 

前置きが長くなりましたが全体集合・クラス集合の撮影。

体育祭はまさかの集合参加だったけど

今またてんかん発作が夜間に連発してるし

メンタルダウンも著しい。

おそらく無理だろう。

時間は伝えてるけど、あとの判断は息子だ。

 

撮影当日。

「集合写真来る?」とあえて聞きませんでした。

息子も「今日の撮影行く」「行かない」とも言いませんでした。

 

機材の確認。

今回は集合用の1200Wのストロボもあり重い。

うーむ、これは一度で運ぶのは無理だな。

 

カメラバッグやら三脚やらをえっちら担いでいると

息子がすっと来て

「オレが持つけん」と電源や重たい機材を持ってくれた。

 

おお!ありがとう息子、助かるぅ~。

そのまま機材を車に載せて出発。

息子も同乗。(制服着)

 

あれ?一緒にいくの?

運ぶの手伝ってくれるの?

 

学校へ着くと、すでに生徒さんたちがブワーっと集まっている。

あーこれ、今の息子にとって苦手なパターン。

車から降りないかも。

 

しかし意外にも大人数を気にせず機材を黙々と運んでくれる息子。

ちょうど担任がそんな息子を見つけ、流れのままに集合写真の場所へ。

 

え?いっちゃったけど?

ひとまず私は仕事せんといかんからセッティング!

絞り・シャッタースピード・感度・光量調整。

 

中庭に並んだ生徒さんたちを2階から俯瞰撮影。

はーい、みなさん、前の人から腕の長さくらいまで離れてくださいね。

最後列の男子、あと3歩下がろうか!

上から撮るのでもうちょっと顔を上げてね!

 

見える。

息子がいる。

 

アルバム用やけん笑顔なー!

そうそう、いいよ!

 

シャッター切る。

フラッシュ光る。

 

初め硬かった生徒さんたちも3回目くらいからほぐれてくる。

それぞれポーズをとって楽しんでいる。

その瞬間。

シャッターレリーズ押す。

いいね。

 

息子。

いるね。

 

結局そのままクラス集合撮影も参加した息子。

もちろんその後の授業は不参加(笑)

 

帰りの車の中。

「オレ、なんか笑えんかったわ」

いいよいいよ。

でも息子、最後ひそかに胸前でイェーイってしとったやろ。

「え!なんでわかった!?」

お母さんカメラマンやけな(笑)

 

そんなこんなの全体集合撮影。

写真館に戻って現像してみたら

息子、全部笑ってた。

 

おいおい!

いい笑顔してんじゃん!

 

思わず目頭が熱くなる。

 

私のこの仕事が

息子が不安で入れなくなっている世界への

なんらかのつなぎになれるといいな。

 

大丈夫。

 

さてレイアウトがんばろう!