「うん。」
「お疲れ。」
「おつかれ。」
「...また、ね。」
2020年が終わって、それぞれの道を歩く。
最近は、いろいろ気をつけないといけなくて、自分の車はやめていて、マネージャーが送迎してくれている。
翔ちゃんと一緒に後部座席乗り込んだ。
「ふぅー。」
「お疲れ様でした!」
「いや、マネージャーも本当にお疲れ様。いろいろとありがとう。」
「これが仕事ですから!」
いつでもスタンスの変わらないマネージャーにほっとしつつ、チラッと隣の翔ちゃんを見た。
ずっと窓の外を見ていて、最低限の言葉しか発しない。
翔ちゃんのあんな涙…
見たことなかった。
「ありがとう!」
「お疲れ様でした!」
「マネージャーもゆっくり休んで。」
車を見送って、エレベーターに乗っても、翔ちゃんは口を開かなくて。
もちろん、色んな、本当に色んな思いがあるのは俺だって一緒で、だからあえて俺からも声をかけなかった。
鍵を開けて家に入ったところで。
「っ翔ちゃんっ...?」
後ろからギュッと抱きしめられた。
翔ちゃん、泣いてる…?
後ろから回された手に俺の手をそっと重ねると、さらにぎゅっとされて、身体が震えているのが分かる。
俺はそのまま身体を反転させて翔ちゃんを包み込んだ。
普段、翔ちゃんに抱きしめてもらうことが多くて、俺が寄っかかってばかりだけど、俺のほうがちょこっと背も高いし、すっぽりと包み込める。
翔ちゃん、もう俺しかいないよ。
そんな気持ちを込めて包み込んだ。
翔ちゃんが嗚咽を堪えることなく、俺の肩に顔を埋めている。
俺も思いが溢れて、涙が止まらない。
玄関で靴も脱がず、しばらくそうしていた。
「ごめん。」
「ううん。」
「とりあえず、上がろうか。」
「ふふ。そうだね。」
急に照れくさくなって、2人で笑い合うけど、まだ翔ちゃんの大きな目には涙が溜まっていて。
俺はたまらず、もう一度抱きしめた。
「これからも、頑張ろ。」
「うん。」
「俺は、ううん、リーダーだって、松潤だって、和だって、ずっと繋がっている。」
「うん、そうだな。うん、ありがとう。」
翔ちゃんがふぅっと、自分を落ち着けるように息をはいた。
「ほら、行こ。」
翔ちゃんに手を差し伸べて、家に入る。
これからも、ずっと。
そう、ずっと、この手は離さないよ。
*****
どうしても抑えきれず、お話書いてしまいました。
またきちんとご挨拶させてください。