「こっちもみんな繋がったよー。」
お蕎麦を持ってリビングに行けば、テレビの画面に映るいつもの3人。
「お待たせしましたー。」
「いやいや、こっちも今座ったとこよ。」
「うちなんて、つい今の今まで寝てたからね、この人。」
ほら、起きててよ、なんて和さんがおーちゃんを優しく揺さぶる。
半分寝てるなー(笑)
「では。」
翔さんが盃を掲げて見せると、みんなも思い思いの飲み物を手に取る。
「今年はこんな年の瀬になってしまったけれど…でも、どんな形でも繋がっていられることに感謝して。
今年も本当にお世話なりました。来年もよろしく!
カンパーイ!」
「乾杯!」
「かんぱい!」
「んー!」
「お世話になりました!」
「潤、それワイン?」
「そ。それにちょっと鴨焼いてみた。」
「いいね、俺ももうワインにしよー。さっき蟹鍋で日本酒さんざん飲んだし。」
「持ってくる?」
「いいよ。大丈夫。雅紀も飲む?」
「飲む!」
お蕎麦を啜りながら、画面越しの年越し。
今年は色んなものが一変した。
様々なリスクを考えて、会社でも5人が揃うってことはできるだけ避けた。
例年のうちの実家での年越しもやめておいた。
「相葉くんのご実家、皆さん、変わりない?」
「お陰様で。実家にまで、蟹送っていただいて、ありがとうございました。」
「さっき、鍋食べてる時、雅紀の実家とリモート繋いでたんだけど、はるちゃん、蟹にむしゃぶりついてて、全然こっち見てくんねーの。」
「うわー。見たかったな、それ。」
「弟くんも大きくなったんじゃない?」
「蟹はさすがにまだ無理だけど、最後の雑炊を口の周りベッタベタにしながら食べてたな。」
「すごい食いっぷりだったね。」
思い出して笑う。
「こんなふうにリモートで会うのもだいぶ慣れちゃったけどさ、やっぱり実際に会いたいよね。」
「うん。」
「来年は、だな。」
「うん。」
「潤も、光一さんに会いたいだろ。」
「まぁー、ね。会いたくないと言ったらウソになるし。」
「一緒に住めばいいのに。」
結局また寝ちゃったおーちゃんの髪で遊びながら和さんが言う。
「確かにこんな時こそ人肌恋しくはなるから、考えなくもないけど、でもさ、生きてればまた会えるし、今は何よりも、自分自身を大切にして、会社を継続させていくことが大切かな、って。社員を路頭に迷わせるわけにはいかないから。ね、社長。」
社長、と呼ばれた翔さんに目を向けると、そこには同じように真剣な眼差しの翔さんがいて。
この一年の、会社のトップとして、どれだけ多くの決断を迫られたか、その苦労が滲み出ていた。
「本当に。今、こうしていられること、色んなことに感謝だよ。」
しみじみと翔さんが言う。
「あ、年が明けるよ!」
5、4、3、2、1…
「明けましておめでとう!」
「ハッピーニューイヤー!」
「おめでとうー!」
「今年もよろしくお願いしまーす!」
「…むにゃ...」
色々ある。
大変なことも、辛いことも。
でも、この人たちとなら乗り越えられる。
「雅紀、今年もよろしく。」
「こちらこそ。」
カチン、とグラスを合わせて、微笑んだ。
*****
本当に色々あった2020年が幕を閉じようとしています。
閉じて欲しくないけれど、時間は確実に過ぎていく。
あと数時間を悔いのないように。
今からとっととお風呂に入って、お鍋&お蕎麦食べて備えたいと思います。
思いは1つ。
嵐が大好き!
ただ、それだけ。
皆様、本当に今年もありがとうございました。
2021年、必ず良い年になります!
MARIMO