アコファイド治験 | 神経芽腫の娘のこと

神経芽腫の娘のこと

2017年12月3歳9ヶ月、小児がん神経芽腫と診断され、再発を繰り返しながらも懸命に生きた証、治療や娘との大切な時間をどう過ごしたか、それからの事、子どもを亡くした母親の気持ちを綴っています。2023年2月14日永眠。アメンバー申請の際は自己紹介メッセージをお願いします


2023年5月中旬


え?治験?!



娘に続き、息子までもこんな機会に遭遇するなんて。



試せる薬があるなら試したい。



それは、娘の時から思っていたことで、



せっかくタイミング良く治験の話を頂いたので治験に参加したいな。



と、思えました。



娘が導いてくれたかな。しおりパワーかな。



なんて思ったりしながら、



続けて説明を聞くと、



アコファイドという内服薬は、



胃の運動機能を改善したり、



胃の内容物の排出を促進させ、



食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感の治療に使われるもの。



治験内容は、



1日、食前に3回。(学校にも持って行って飲まないといけない)



それを2ヶ月間。



息子に聞いてみると、えー。と言いながらも、まぁいいけど。



色んな薬を試しても良くならなかったから、



やってみようかな。



そんな感じでした。



私は一つ気になっている事を伝えました。



腎機能に影響は出ないか。



息子は生まれつき腎臓が片方しか機能していないので、



腎臓に負担がかかるなら考えたいな。と、



そこが気になりました。



先生は、息子のカルテを遡り、泌尿器科にも確認をとり、



採血結果でも十分な腎機能があること、



この薬もそこまで腎臓に影響がない事を説明して下さりました。



それなら断る理由はありません。



先生は、治験コーディネーター(CRC)の方に連絡をし、



息子が本当に条件を満たしているか、



治験の進め方を確認したあと、CRCさんがやってきました。



詳しく説明を聞くと、



治験は2ヶ月間だけど、



最初の1ヶ月目は、実薬か、実薬に似せた偽薬かランダムで決まる。



実薬か偽薬かどうかは、本人も医療者もわからない。



これは運次第なところ。



だけど、2ヶ月目の1ヶ月間は、必ず実薬が処方される。



決まりとして、治験中は他の薬を一切飲んではいけない。



ステロイドなどの皮膚に塗るような塗り薬もダメ。



他の薬を飲んだ時点で治験終了となる。



だから、風邪や流行の感染症には気をつけてほしい。



そして、毎日、症状をチェックする日誌もつけてほしい。



そのような条件でした。



「風邪をひいたらダメ」って…



小学生にはきつい条件でプレッシャーだなぁ。



と、思いながらも、



主治医もCRCさんも、



『〇〇くん、治験って、この先、この薬が誰でも使えるようになるように。



っていう大事なテストみたいな事で、



〇〇くんが治験がんばってくれたら、



これから同じような病気で困った子どもたちに、



とっても役に立つのよ。すごいことなの。』



と、話され、息子は、



『それは知ってる。妹もアメリカ行って治験してたもん。』



と、娘もアメリカで治験を参加した事など話し、



お二人とも大変驚かれていました。


『すごいねぇ…



それなら治験のイメージはよくわかるかもしれませんね。



そうですか…妹さん、そんなすごい治験を経験されたんですね。』



と、言ってもらい、そこでもなんだか嬉しくなりました。