機能性ディスペプシア? | 神経芽腫の娘のこと

神経芽腫の娘のこと

2017年12月3歳9ヶ月、小児がん神経芽腫と診断され、再発を繰り返しながらも懸命に生きた証、治療や娘との大切な時間をどう過ごしたか、それからの事、子どもを亡くした母親の気持ちを綴っています。2023年2月14日永眠。アメンバー申請の際は自己紹介メッセージをお願いします


2023年5月中旬


胃カメラから2週間後。



病理結果を聞きに、消化器内科の受診へ。



ここの病院へ行くと、必ず知っている看護師さんやお母さんにたくさん会います。



娘の事を知っている看護師さんからは、



『あれ?史織ちゃんのお母さん?どうしたの?なんでここにいるの?』



と、声をかけられ、



『実は今、息子が消化器内科にかかっていて…



ここの病院とは何かと縁がありますよねー。



またお世話になります…』



と、話すと、



『お兄ちゃん、心配だね。早く良くなるといいけど…



本当に。良いのか悪いのか、病院なんて早く縁が切れた方がいいよー。



だけど、お母さんどうしてるかな?ってみんな心配していて気になってたから、



今日、会えて嬉しかったよ。



史織ちゃんも最期までよく頑張ったね。』



と、娘の話もします。



娘がお世話になった看護師さんに会うのは嬉しいです。



これも、娘が繋げてくれて、残してくれた、



「人とのご縁」かなと前向きに思うようにしています。



だけど、何となく気まずいのが、



娘が亡くなった事を知らないお母さんに会うこと。



『あれ?今日はお兄ちゃん?史織ちゃんは元気?』



と、尋ねられます。



娘の事を伝えると、



驚かれ、お互い何となく気まずい雰囲気になります。



あ、ここの病院に行くということは、



このような場面にこの先も遭遇するんだな。



会話の流れで聞かれることは仕方がないし、自然なことだし、



娘のことを隠すつもりはないけど、



聞かれる度に、“その言葉”を口に出さないといけない。



その度、娘のことを話さなきゃいけない。



そして、相手も言葉を詰まらせてしまう…



その空気がちょっとしんどいなと思いました。



診察に呼ばれ、問診、触診を終え、



病理結果も異常なしと伝えられました。



しかし、息子の胃の不調はスッキリしていません。



そこで、先生が起立性調節障害以外に、もう一つ、疑った病気は、



「機能性ディスペプシア」



という病名。


(引用させていただきました)



『〇〇くんの胃の症状から、この病気も考えられるかなって。




今、胃カメラをしても異常なくて、




この病気を疑う子どもが増えてきています。




そして、ちょうど今、この病気に対する、



アコファイドという内服薬の治験を行っていてどうかな?と思っていて…



この治験も第三相まで進んでいるから安全性は確認されています。



もちろん、個人差はあるけど、効果も確認されています。



大人では普通に処方されている薬で、



小児にどれぐらいの量が必要かとか、



小児にも承認してもらえるか、という段階まできています。



「胃カメラ検査をして1ヶ月以内の小学生高学年以上」



というのを条件とした治験なんです。』



と、先生が話されました。



『もちろん、起立性調節障害も疑うところもあるのですが、



同じぐらい機能性ディスペプシアも疑える。



起立性調節障害は、だいたい漢方薬から始めると思います。



いえば、漢方薬はいつでも、いつからでも始められます。



しかし、せっかく今、アコファイドの治験を募集していて、



高学年と、胃カメラから1ヶ月以内という条件に〇〇くんは満たしているから、



機能性ディスペプシアから疑って、こちらを優先して治験に参加してみませんか?



この薬の有効性は、私も確認しているし、副作用もそんなにない。



途中、薬が効かない。とか、余計酷くなった。となっても、



いつでも治験おりることができるから。』



と、そんな話が舞い込んできたのでした。