胃カメラ検査 | 神経芽腫の娘のこと

神経芽腫の娘のこと

2017年12月3歳9ヶ月、小児がん神経芽腫と診断され、再発を繰り返しながらも懸命に生きた証、治療や娘との大切な時間をどう過ごしたか、それからの事、子どもを亡くした母親の気持ちを綴っています。2023年2月14日永眠。アメンバー申請の際は自己紹介メッセージをお願いします


2023年4月下旬


胃カメラ検査の日。



病院へ向かいました。



麻酔をかけるので、朝から絶飲食。



息子は絶食に文句も言わず、



『史織も頑張ってたし。』



と、妹の事を思うとこれぐらい平気といった様子でした。



案内されたのは、娘が入院していた病棟と同じ階の逆の棟。



ロビーでは懐かしい風景と匂いと、



またフラッシュバックし、胸騒ぎもしました。



今でもまだ、ここで頑張っている子どもや家族がいるんだな…



と何とも言えない気持ちになりました。



正直、ここにはもう来る事はないだろうなって思っていたから、



本当は行くのが凄く嫌でした。



看護師さんがバイタルチェックをし、



先生の診察、同意書にサインをし、



呼ばれるまで息子はベッドで寛ぎながらSwitchで遊んでいました。




すると、心理士さんと、娘のプライマリーだった看護師さんが会いに来てくれました。



『〇〇くん、大丈夫?



検査不安と思うけど、寝てる間に終わるよ。』



と、励ましてくれました。



そして、病棟を散歩していると、向かいの病棟に、



娘の主治医の姿が見えました。



主治医の姿を見つけ、息子は手を振り出し、



主治医は息子に気が付き、



驚いた様子でわざわざこちらの病棟まで来て下さりました。



『あれ???お兄ちゃんどうされたんですか??』



科が違うので、事情を知らなかった主治医は大変驚き、事情を話すと、



『それは心配ですね。



まだしーちゃんが亡くなって日も浅いし、



精神的なところもあるかもしれないけど、



それだけじゃないかもしれないし、



ちゃんと検査して診てもらった方が安心ですね。



お兄ちゃん、検査寝てる間にすぐ終わるし、頑張ってな!



お会いできて良かったです。』



そう言ってくれ、エールを送って下さりました。



主治医に会うのはあれ以来。



主治医には本当に感謝しかなく、改めてお礼が言いたかったので、



娘のお礼も一緒に伝える事ができて良かったです。



検査に呼ばれ、ストレッチャーに乗って、オペ室へ向かいました。




ここの場所も、本当に何度もお世話になりました。



娘はオペ室に向かうとき、一度も不安がったり泣いたりする事はありませんでした。



私の方が不安になっていたから、本当に強い子だなぁと、えらいなぁと思いながら見送った場所で、



またフラッシュバックと胸騒ぎがしました。



こんな事、比べたらダメなのですが、



どこか、娘の検査や手術に比べたら胃カメラの検査は気持ちは軽く、



きっと大丈夫。命に関わるような深刻な病気ではないだろう。



と、どうしても思えてしまい、



息子には本当に申し訳ないけど、娘の時と、気持ちの重みが全然違いました。



ごめんね。



そして、1時間ほどで終わり、息子は無事に戻って来て、



気持ちよさそうにぐっすり眠っていました。


よく頑張ったね。




その間、検査結果の画像を見せてもらい、



『まだ、読影結果は出ていないですが、



ざっと見た感じ、特に気になるところはないです。



食道も十二指腸も胃も、綺麗です。



ただ、せっかく胃カメラをしたので、



念のため、一部細胞を病理に出しますね。



病理結果は2週間後に出るから、それぐらいにまた受診して下さい。』



と、言われ、



所見なし。という、言葉をもらい安心しました。



麻酔がきれ、目が覚めた息子は、



麻酔の副作用で少し気持ち悪い様子でしたが、



よく頑張ったね!!と、沢山褒めました。



『特に大きな病気は見つからなかったよ。』



と、言ってもらい、安心した様子で帰宅しました。