【マンガ感想】
『1/11(じゅういちぶんのいち) 1巻 (中村尚儁)』
1/11 じゅういちぶんのいち 1 (ジャンプコミックス)
中村 尚儁 集英社 2010-12-03 by G-Tools |
【あらすじ】
自分の才能に限界を感じ、中学卒業と共にサッカーを辞めた安藤ソラ。しかし、女子日本代表・若宮四季との出会いが、心の奥底に眠っていた何かを衝き動かした――。清新な筆致で描かれる、ソラを巡る様々な人間模様――
サッカーをテーマとしたオムニバスストーリー作品です。
主人公・『安藤ソラ』は、自分の才能に限界を感じ、中学卒業と共にサッカーを辞めようとしていた。
そんな彼の前に、中学生で女子日本代表となった『若宮四季』が現われる。 その出会いが、
『安藤ソラ』に大きな変化を与えることとなっていく・・・・。
というような感じで始まる作品でして、主人公・『安藤ソラ』及び彼の周りに集まってくる人々にスポットを
当てて、彼らの日常を描きていくというオムニバス作品です。
この作品の特徴は、やはりオムニバスである点ですね。
作者のあとがきによれば、この作品は季刊誌に連載されているそうです。
季刊誌ということで、週刊誌や月刊誌のように続きモノの連載はしづらい状況であるらしく、
1話で完結するオムニバスという形を取ることとなったようです。 しかし、完全なオムニバスでは
面白くないということで(笑)、一つひとつの話は独立しているものの、全体的に見れば一つの作品に
なるような構成で作られております(簡単に言うと、一つのチームに絞り、選手一人ひとりにスポットを
当てて作られている)。 1巻では主人公・『安藤ソラ』を含むチームメイト3人の話が描かれておりまして、
恐らく、次巻以降は、残りのチームメイトにスポットが当てられていくのだと思われます。
ただ、主人公が所属しているサッカー部は素人の集まりのため、物語的にも盛り上がらなさそうなので、
いずれはこのチーム以外の人物にスポットが当てられていくのかもしれませんが・・・・。
で、
そんな1巻でメインとなるのは、やはり主人公・『安藤ソラ』の話ですね。
この話は、『安藤ソラ』が高校入学と同時にサッカーを辞めようとしている場面から始まります。
サッカーを辞める理由としては、「自分の才能に限界を感じたから」というよくある感じの理由でして、
『安藤ソラ』はサッカー部が無い進学校へ進学することとなりました。 そんな状況の中、ある日、
中学生で女子日本代表になった『若宮四季』という女の子に偶然出会うこととなります。
彼女は、主人公・『安藤ソラ』に「すごい才能を持っているのだから、諦めなければプロになれる」と
励ますわけですが、諦めきっている主人公にはその言葉は届くことはなく話は進んでいきます。
そんな中、主人公が所属していた中学のサッカー部の引退試合のイベントが描かれることとなり、
そのイベントを通して『若宮四季』と主人公のやり取りに色々とすったもんだあって、主人公が
サッカーの面白さに気付き、再びサッカーをプレイし続けることを誓うこととなりました。
具体的には、ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、少年誌掲載作品らしく
非常に清々しい内容に仕上がっていて、非常に楽しく読むことが出来ました。
もし、次巻があるならば、もう一度、主人公・『安藤ソラ』をメインとして描いてもらい、
彼の成長していく姿を見てみたいです。 まあ、全ての話に登場してきているので、
無理にメインとして描く必要はなさそうではありますけど・・・・。
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【総評】
サッカー自体を描くのではなく、サッカーをしている人々の話を描いていくという感じの作品です。
基本は、オムニバスですが、主人公は固定されているので、オムニバスという感じはあまりしません。
それが良いのか悪いのかは判りませんが、個人的には非常に面白く読むことが出来ました(^^ゞ。
スポーツモノが好きで、前向きな少年漫画が好きな方にお薦めしたいですね。
点数的には
90点
です。
では、ここまで。