【マンガ感想】
『ノエルの気持ち ３巻・４巻 （山花典之）』
ノエルの気持ち 4 (ヤングジャンプコミックス)
山花 典之
【あらすじ】
フィギュアスケートでは世界Jr．チャンピオンの月岡ノエルも、素顔はお兄ちゃんとのラブラブを夢見る15歳。厳しいレッスンの合間に出かけるお兄ちゃんとのデートが元気の素だったのに、アイスショーのリハーサルが入って大ショック！！ そんな時、ノエルの前に中国から来た梁兄妹が出現。ノエルを利用しようとする暗い策略が動き始めて……！？
二枚目で生徒にも人気がある高校教師・『月岡尚人』と、
フィギュアスケートの日本代表（世界ジュニアチャンピオン）の『月島ノエル』による、
血の繋がらない兄妹のラブコメディー作品です。
妹・『ノエル』は、フィギュアスケートの世界ジュニアチャンピオンという実績を持ちつつ、
その容姿からもフィギュアスケート界のプリンセスと呼ばれるほどの期待の女の子。
でも、兄であり、この物語の主人公・『月岡尚人』のことが大好き。
そのことに悩む『ノエル』だが、実際には、この兄妹は血が繋がっていない・・・らしい？
そんな『ノエル』が兄・『尚人』が務める四ツ葉学院に入学してくる・・・。
という感じのストーリーの作品です。
『血が繋がらない兄妹』・『ブラコン設定』・『シスコン設定』というベタベタな設定からも、
第一話目から結末がわかってしまうというラブコメ作品です（笑）。
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ここからは３巻・４巻の感想。
３巻・４巻では、『尚人』と『ノエル』が実の兄妹ではないことを周りの人々が気づき始めるというイベントと、
『尚人』がやたらに女性にモテまくり、『ノエル』がそれに嫉妬するという話が描かれております。
今回の注目点は、やはり周りの人々が『尚人』と『ノエル』が兄妹ではないことに気付き始めた点ですね。
元々、『尚人』と『ノエル』が実の兄妹でないということは、この２人の両親や『尚人』がお世話に
なっていた孤児院の関係者など、極少数の人々しか知らない事実であったのですが、
偶然が重なり、『ノエル』の親友である『由佳』や、『尚人』の同僚・『愛川先生』と『松本先生』などに
次々とバレていってしまい、そのことをきっかけとしたイベントが次々と描かれました。
そんなイベントを繰り返しながらも、『ノエル』だけは『尚人』が実の兄では無いという事に気付かず、
『尚人』を兄としてではなく男性として好きになってしまったことに悩み続けている姿が描かれ続けます。
あまりにも悩みすぎて、スケートを辞めてしまおうというところまでいったりもしましたが、
兄・『尚人』のフォローのおかげでそういう気持ちが吹き飛び、さらに『尚人』を好きになってしまったのは
非常にベタすぎるけれど、この漫画の最大の魅力部分であると思います(^^ゞ。
また、そんな『ノエル』の健気な片思いに応えるように、『尚人』もまた『ノエル』のことを妹としてではなく、
一人の女性として好意を持ちつつありまして、血が繋がっていないとはいえ“妹”である『ノエル』を
好きになってもよいものかと悩み始めました（今までは兄妹であるという理性が勝っていた）。
そのため、自分に好意を寄せてくれていた『愛川先生』よりも『ノエル』を選んだり、『ノエル』が色々と
悩んでいるところに突然現われたりするなど、何よりも『ノエル』のことを優先して行動する姿は
兄というよりも恋人そのものでして、『両思いなのにお互いに片思い状態』というなんとも面白い
シチュエーション漫画となっております。
昼ドラのような展開は好き嫌いが判れそうですが、４巻のラストの方で『ノエル』のフィギュアスケートの
ライバル達も登場しましたので、恋愛以外でも盛り上がっていきそうですね。 次巻も楽しみです。
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【総評】
この作者らしい昼ドラのようなドロドロとした展開も描かれつつも、
『両思いなのに兄妹であるためにお互いに片思い』というシチュエーションが上手く描かれています。
１巻・２巻が面白かった人ならば、同じように楽しめる内容に仕上がっていると思います。
点数的には
８５点
です。
では、ここまで。